004
面談室で秋山さんと話をする。
多くは語らない。
たぶん元彼と浮気相手が会社をやめたことは、天野さんから聞いているに違いないから。
「もうちょっとここで頑張ってみない?」
俺の言葉に、彼女は静かに頷いた。
可愛い部下がいなくならなくてよかった。
俺の肩の荷も降りたってもんだ。
そんなバタバタから一週間、また問題が起きた。
うちの問題児、坪内くん。
彼の元に付ける派遣がしょっちゅう入れ替わる。
問題児と言ったけど、彼が悪い訳じゃないのは知っている。
こちらも上手くいかないんだ。
何しろ社内で王子様と称されるくらいイケメンだから、女の子がすぐに彼の虜になってしまう。
じゃあ彼の下に女の子の派遣を付けるなと思うだろう。
単価が抑え目で少しだけデータベースが触れる人を募集すると、派遣会社は若い女の子を連れてくる。
あくまで坪内くんの補佐的業務なので、単価を上げられないんだ。
これは課長権限じゃ無理だ。
だから仕方なく雇ってはいるんだけど。
そしてまた、今回も短期間で辞めてしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます