第49話告知

《ワールドアナウンス:プレイヤー名レーナがワールドクエスト:クレブスクルム解放戦線をクリアしました》

《ワールドアナウンス:これによりベルゼンストック市にて臨時政府が発足し、強力な自治権を中央政府に対して獲得しました》

《ワールドアナウンス:他にも様々な変化が生じたためプレイヤー自身の目で確かめてみてください》

《レベルが上がりました》

《スキルポイントを獲得しました》

《カルマ値が大幅に下降しました》

《新しく畏怖スキルを獲得しました》

《新しく演説スキルを獲得しました》

《新しく打撃耐性を獲得しました》

《新しく水属性耐性を獲得しました》

《既存のスキルのレベルが上がりました》

《レベルが一定に達したスキルがあります、進化が可能です》

《新しく称号:ワールドクエスト達成者を獲得しました》

《新しく称号:海の敵を獲得しました》

《従魔達のレベルが上がりました》


ふぅ……今回の革命での戦闘行為全てを含めた戦果が来ましたね、上級クラスへと進化していなければ危なかったです。

どうやら地下通路のボスを倒してレベルが上がり、その後のPKや地下通路爆破でカルマ値が下がり上級クラスへと変更ができると気付いたのは子供たちと遊んでいる時でしたね。

進化の条件はカルマ値が《極悪》か《極善》、それから《中立》のまま特殊な条件を満たすこと、上級クラスは進化と同じカルマ値の条件+レベルが40必要というものでしたね。レベル自体は簡単でもカルマ値や特殊な条件というものが難しいのでしょうか? 自分は気付いたらできてたのでわかりませんが…………それともさらに上のクラスや進化先があるのでしょうか?


「とりあえずユウさんと合流しましょうかね? 」


ある程度回復したのを確認してから街を目指します。


▼▼▼▼▼▼▼


街に戻ってきましたが…………ユウさんが見当たりませんね? どこに行ったのやら…………。


「おや、ロン老師ではないですか」


「…………お前さんか」


領主舘の前でじっと誰かを待っていた様子のロン老師を見かけましたので聞いてみましょう。


「ユウさんを見かけませんでしたか?」


「……小僧なら検証班……だったか? 仲間らしき者たちに引き摺られていったぞ」


なるほど……別に私が初めて『ベルゼンストック市』にたどり着いたわけではありませんから、元からこの街に居たプレイヤーの方も居たのでしょう……それにそろそろ地下通路もまた通れるようになっている…………はずです。ユウさんが言うには、ですけどね。


「ロノウェの……馬鹿息子を知らんか…………」


「おや? 言った方がいいですか? 」


おそらくロノウェさんを待っていたと思うのですが、私がこの場にいる時点で察しはついていたと思ったんですがね?


「……………………いや、彼奴の性格とお主がここに居るという意味を考えれば察しはつく…………」


「そうですよね、楽しかったですよ」


「……」


本当にロノウェさんとの『遊び』は楽しかったです。革命も道具に下剋上される貴族たちという面では優秀でしたが、戦闘面ではイマイチ質も量も足りませんでしたからね。その点、彼はアレクセイ騎士団長にも負けない実力を持っており、私もその頃より強くなっていて良い勝負になりました。


「お前さんには礼と謝罪を…………我らに手を貸し自由を与えてくださり感謝します、そして息子の無礼をお許しください………………」


「え? あぁ、そうですね? 別に構いませんよ」


お礼はまだわかるんですが、なぜ私は謝罪されたのでしょう?


「かたじけない…………お前さんはこれからどうするつもりかね? 」


「そうですね、これから​──」


《運営よりメッセージ:公式イベントのお知らせ》


おや? 運営からメッセージ…………それも公式イベントのお知らせですか、これは次の行動はきまりですね。確認は……後にしましょう。


「​──同じ渡り人同士で集まりがあるらしいので、それに行こうかと」


「……そうか、最後に一つ聞かせてくれ」


「? なんですか? 」


他に聞きたいことって何があるんでしょうか? ロノウェさん以外では見当が付きませんが…………。


「……お主はこれから何を成す? 」


「? 自分のしたいようにするだけですが? 」


「そうか……」


何が聞きたかったんでしょうか? なにを成すかなんて自分のしたいようにするだけなので知りませんよ?


「それでは私はこれで、姉妹たちにはよろしくお伝えください」


「……顔は見せんのか? 」


「…………これ以上は無理です」


「……? そうか、わかった。伝えておこう」


「えぇ、ありがとうございます、では」


これ以上はさすがに演技できませんからね、もう用はないですし少し距離を置きましょう。首元のペンダントを弄りながらその場を後にします。


▼▼▼▼▼▼▼


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差出人:KSO運営

件名:公式イベントのお知らせ

本文:プレイヤーの皆さまに第一回公式イベント『隠れ鬼ごっこ』の開催をお知らせします。日時は今より三日後に開始し、期間は一週間を予定しております。ですがこれは脳波の体感速度を上昇させているため、イベント当日はゲーム内では一週間が経過しても現実では一日しか経過していないのでご安心ください。ただし、ゲーム内で寝る必要はありますのでご注意を。場所はイベント専用マップをご用意しております。

内容について今からご説明させていただきます。


1 )プレイヤーの皆さまには現時点でのカルマ値によって『秩序』『混沌』『中立』の陣営に分かれていただきます。色はそれぞれ『秩序』が蒼、『混沌』が紅、『中立』が白になります。


2 )イベント開始一時間後に各地にいるプレイヤーの居場所がイベントマップに一瞬だけ表示されますのでそれを参考にして他プレイヤーを襲ったり、他プレイヤーから逃げてください。また、その後はカルマ値に応じて一定時間毎にマップに表示されますのでご注意ください。


3 )倒したプレイヤーのカルマ値によって取得ポイントが変動致します。『秩序』のプレイヤーならば高いほど、『混沌』のプレイヤーなら低いほど、『中立』のプレイヤーならより0に近いほどポイントは高くなります。また、倒されたプレイヤーの方はイベントマップから通常マップに戻りますがUIから観戦が可能です。


4 )『秩序』のプレイヤーが『混沌』のプレイヤーを倒すと獲得ポイントは2倍になり、またその逆も同様です。『中立』のプレイヤーはどちらの陣営を倒しても2倍となりますので狙われる優先順位が低いぶん積極的に両陣営を襲ってくださいませ。


5 )獲得ポイントが多いプレイヤーほどマップに表示される色は濃くなり、またマップに表示される時間の間隔が短くなりますので頑張ってくださいませ。


6 )イベント期間終了後に総合獲得ポイントでランキングを発表します。ランキングは団体と個人に分かれて発表され、そのどちらでも報酬がありますので頑張ってポイントを集めてくださいませ。なお、イベントで獲得したポイントは豪華景品と交換が可能でごさいます。


以下、それぞれの陣営の上位五名を表示します。表示された方はイベント期間中は積極的に狙われると思いますので今のうちに対策をする事を推奨致します。


秩序

序列1位:変態紳士カルマ値112・善

序列2位:マリア《カルマ値110・善》

序列3位:アーロン《カルマ値109・善》

序列4位:チェリー《カルマ値104・善》

序列5位:スメラギ《カルマ値101・善》


混沌

序列1位:レーナ《カルマ値-211・極悪》

序列2位:ブロッサム《カルマ値-111・悪》

序列3位:ヒンヌー教祖カルマ値-108・悪

序列4位:†漆黒の堕天使†《カルマ値-103・悪》

序列5位:アサギ《カルマ値-101・悪》


中立

序列1位:絶対不可侵領域カルマ値0・中立

序列2位:メイル《カルマ値3・中立》

序列3位:ミラ《カルマ値5・中立》

序列4位:スク水ニーソ大盟主カルマ値-8・中立

序列5位:ハロルド《カルマ値12・中立》


それでは皆さま、当日を楽しみにお待ちくださいませ。


KSO運営より


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…………………………………………私低すぎませんか???????

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