第22話 セドリックの提案
「謁見の間で、デビュタントに立ち会ってた貴族の方々から目を付けられたかもしれない……です。っていうか、宰相様からそう言われました」
って言ったら、2人とも固まってしまった。
「何をしたのかな?」
あっ、兄の方が先に復活した。セドリックは、固まってるって言うより、考え込んでるみたいだ。
「自分では、わからないです」
評価は評価として、これは私の本音だし。
「リナちゃん。デビュタントも終わったことだし、そろそろいろんな方面から、夜会だのなんだの、お誘いがきてるよね」
「来てると思いますけど……それが?」
「リナちゃんのクラスメイトにリネハン伯爵の嫡男がいたと思うけど」
「ああ、いましたね。そういえば」
薄情と言うなかれ、クラス内では貴族の上位と下位の交流はあまりない。
特に上位貴族から声をかけれなければ、普通、交流は皆無だ。
まぁ、私はエイリーンに声かけたけど。ジークフリートのパートナーをしたときもお誘いはむこうからだったしね。
「王太子派の伯爵だけどね。今度、子息の誕生祝賀の夜会を開くから、お誘いがくるんじゃないかな。それを受けてみると良いよ」
「何かあるんですか?」
「あるっちゃあるな。息子の方はともかく、親父の方がね。招待状自体は自宅にでも来てると思うけど、直接誘いが無かったら何も無いかもね」
「向こうの出方次第ってことですね」
「そう。
私たちの会話の横で、兄が嫌な顔してる。
「誘われなかったり、断ってサッと引くようだったら、この話は無しだからね」
セドリックは自分から話を振って来たくせに、しつこく念を押していた。
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