第16話 気づき変われば
どうにもならないとき
誰も助けてくれないと悲観して
笑顔の仮面をつけて
私は大丈夫と呪文を唱え
独りになると
もうこの先に光なんて無い
そう思い始めていた
周りはわかったような顔をして
勝手なことを言いながら
直接助けてくれるわけでもなく
口だけなら何とでも言えるよね
と心で毒づき
世界中で私は独りぼっちなんだと思った
この世界に味方はいない
そう思って
布団にもぐり
独りさめざめと泣きはらす
君はずっとそこにいたの?
布団から顔を出すと
いつも通りの君の横顔
今まで気づかなかったけど
静かに黙って横に座っていたんだね
私の
何も言わずに聞いていてくれたんだね
自分の事しか見えなくなっていた私に
ずっと寄り添っていてくれた
ごめんなさい
私の事を
私は何も気がつかず
ただ自分だけが苦しいんだと
思い込んでいた
あなたの疲れた横顔に気づくまで
あなたのやつれた笑顔に気づくまで
自分だけが暗い森の中にいて
黒い沼にはまって動けずにいるんだと
思い込んでいた
毎日あなたを見てたのに
見えなかった
私はゆっくり立ち上がる
まだ遅くない
あなたはまだここにいる
あなたまで巻き込んでしまわぬように
今日からは生まれ変わって
あなたのために
強くあきらめずに生きていく
だから
ずっと
そばにいて
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