「浜焼きin家」

 縁側、簡易コンロの上でぐつぐつと音を立てているのは目の前で焼いている栄螺の壺焼きである。

 そして、うつったかのように唾液を飲み込んだのはズィークと彼女だ。

 そして魚屋で貝類を浜焼きセットとして売っていた箱を確保したのは私だ。

 酒の準備はそれぞれ万端、後は焼けて食べるだけ。

 一緒に入っていた帆立貝はバターの濃厚な香りがしている。

 ズィーク、よだれ溢れてるぞ。ってことでー。


「いただきましょう」


 一斉に箸が伸びた。

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