「虫干し」

 虫干しのために蔵の中を漁っていたら、禁呪の巻物が見つかった。興味本位で読み、わかったことは一つ。

 これなくてもこの術なら私達できるわということだけ。

 つまらないので蔵の奥に突っ込もうと立ち上がったところで気配のない彼女から肩を叩かれ、力を流してしまい、もう1人の私が出た。


「おぉ! 両手に華よな!」

「「華って言ってくれるんですね」」


 指摘されるまで気づかなかったのか、照れた彼女に蹴られて。分身は姿を消した。

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