第26話 公開する情報とドラゴンサイト

話し合った次の日早速ドラゴンチャンネルにオーラと言う能力と精霊という存在の可能性があるということを公開した


その反響は凄まじかった。いたるところで魔法や精霊の事が噂された。


「俺も魔法が使えるかもしれない」

「俺の黒魔法が火を噴くぜ」


等々がネットで飛び交った。だが普通の一般人は魔法や精霊などについて、半分の人はそんなものは出来ないと信用していなかった。ドラゴンがいるという現実を受け入れられない人は、未だ数多く存在している


そんな中で猛反発をしているのは柳沢さんだ。

世界中の秘密であり、国家にとっての重要な情報でもある。情報を出したことによって外国からの圧力が非常に強まると言っていた。先日の台風の一件以来ドラゴンに台風を消させようとする勢力は衰えることを知らない


「まぁまぁ柳沢さん。その辺りも調査しに行くわけであって、まだ魔法が使えるとか決まった訳じゃないんですよ。調査に行った後で考えても遅くはないんじゃないでしょうか」

「だが、しかしトオル君が、魔法会得となると君は人間国宝になるかもしれないんだがね…」そんなことをぶつぶつと言いながら応接間から去っていった。

対照的に加藤さんは落ち着いていて


「ドラゴンに勝てないんですから今更ですね。どっちでも同じでしょ」と達観の境地に至っていた。


ここで我が社の新入社員の二人を紹介しよう。元博愛堂の山田さんと元N○K の小島ゆりさん。どちらも年収1千万の給料だと今よりも下がるらしく、やむを得ないので上乗せを500万して来てもらった。 これでグッズの販売とか細かいことが任せられることができるので大分と楽になるだろう。また新しい企画について思いついたらどんどん出してもらうことにした。その企画が成功した場合インセンティブとして利益の5%渡すと契約した。 二人の社員は信用しているので本社の持ち株も若干分け与えることにした。これは将来の幹部候補生には分け与えようと考えている。


俺は農家として独り立ちしてるので生産も簿記も営業も全て一人で行ってきた。会社となったらまた少し扱いが違うのかもしれない。社員には株を持たせてある程度の平等と少しの競争を入れた会社を作っていきたいと思っている。その一環が持ち株制度である。上場株を減らし持ち株を増やす。そのことにより市場に左右されることなく強い会社を作っていきたいと理想ではあるが思った。



とりあえず山田さんと小島さんには動画投稿サイトに溢れる偽物動画を削除するように大元サイトに損害賠償請求を始めることだ。人の物を盗んで利益を得るというのは個人的には納得できない。投稿サイトが受け付けない場合はドラゴンに関する全てをそのサイトから引き上げても良いという権限を二人には渡した。ついでにグッズが販売できたり今までの出来事を見れる普通のホームページも作っておくようにお願いした。 また必要な人手については10人までなら雇用しても構わないと伝えている。つまり実質上の課長待遇として二人には頑張ってもらいたい。


「二人には悪いんだけどもサイトの方は結構急いでいるんだ」

「川上さんにしては珍しいですね」

「実はオーラの能力と魔法が使えるということについては公式発表するだろ、その時にSNSアカウントとかも公式に変更したいし、動画も独自で配信したいので二人とも頼むよ」

今の俺の SNS は Twitter トレンド一位だが、本当に見たくないような書き込みも多い。


そんな中、ドラゴンの二人乗りはちょっと心配なのであらかじめ練習と称してジェーンを呼んで飛行を試していた。


自衛隊の人々はなぜ俺たちを行かせてくれないのだと憤っていた。しかし爛々と輝くその目は魔法が欲しい人の個人の主張がはっきりと現れていた。


タンデムでドラゴンを乗るのは初めてなので練習が必要だ。

まずジェーンが前に乗り覆い被さるように俺が乗る。役得と言いたいところではあるがちょっとジェーンさんのお尻は大きすぎる。俺の股間にガッツリ当たっている。あ・・・あのそのお尻を揺らさないで敏感なの。これは自然現象で意図している訳ではない。


「ジェーンさんお尻が当たってるって避けてよ」

「あら、何よコレぐらい平気でしょ」

涼しい顔でいうジェーンに男の苦悩はわかるまい。冤罪とは怖いものだ。一度下りたので、俺は上下の位置が逆になるように提案した。俺が下手縮こまり体が上で操作する。

「おい、胸が当たっているよ」

「それくらいいいじゃない。トオルは私に興奮しすぎよ」

いやいや、そんなの言うのはあなただけですよ。

「うるっさーい。面倒だからもう行くのじゃ」


ドラコは俺達のやり取りに飽きたのか? それともどうでもいいのか? テスト飛行なのに気にもかけずドラコは沖縄の東方に向けて飛び立っていった…

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