林檎の詩

林檎を縦にグシャリと割って

窓の硝子ガラスにガシャンとぶつけてみる

粉の顔になった透明なバラバラの中に

果実の欠片が大きく一つ

手を伸ばせば指を切り

頬張ると口を裂くのだけれど

かの透明色のバラバラを

この生活色の混沌カオスの中で

バリバリバリと踏み鳴らしながら

黒い風のキャンヴァスに緋文字で

私はてがうようにそっと詠む

挙句の果ての 継ぎ目のうた


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