運命──R・M・リルケへ

運命がいつ私を越えていくのか

それが私には分からない

谷の思い出を絡ませた風に耳を傾けても

彼らはただいてばかりで

やはり私には分からない


そんな頃合い

天の使いにふと私はつまずいて

放られていた虹の欠片に顔をうずめた

厳粛に生まれたたえなる呼吸は

生と死のなだらかな分断を

私の認識に強くまた強く知らしめた


時は転がった──

世界の創造者のてのひらで!

そうして満ち足りた地の砂鉄たる魂たちは讃える

「我等の偉大なる神の水よ 溢れ

 そして 幸いならざる者の手に

 いついつまでもこぼれてあれ!」


死の運命

それは 一途な休息

縷々るるとして途切れを知らぬ

生と神との清き流れ




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