デブ男ダイエット奮闘記

森唄 鶴人

0日目 最後の晩餐つまり甘え。

わたくし、デブ男こと夢見太(ゆめみふとし)でございます。わたくしは現在大学3年生であります。サークルは文化系サークルに所属しております。ええ、タイトルからわかるでしょう。デブです。紛うことなきデブでございます。身長173センチ体重は80を超えております。お酒は飲みません。飲む金があったら美味しいものを食べたいのでございます。わたくしは生まれてからずっと太っておりました。自分が痩せていた時などわたくしの記憶している限り1日たりともありません。わたくしの年齢を見てこう思う方もいらっしゃるでしょう。

「中高の時は痩せてるとは言わないまでもデブではなかったでしょう?」

これに対する答えはNOてございます。丁度この文章執筆途中でございます。2019年ラグビーワールドカップにおいて日本代表がアイルランド代表を19-12で下しました。わたくしも大いに感動いたしました。家の中で思わず叫んでしまいました。日本が南アフリカを倒し史上最大の番狂わせと世界に言わしめた戦いから早4年。日本開催のワールドカップでこの間まで世界ランク1位だったアイルランドに勝ったのです。話が脱線してしまいましたが、ここまで言えばもうわかるでしょう。私は中高6年間ラグビー部だったのでございます。ポジションはスクラムを組むフォワードと呼ばれるところにございます。スクラムで相手に勝つには、テクニックの前にその衝撃に耐える強靭な肉体が必要でございます。私はすごく食べました。「ラグビー 食事」などで検索しそこに書いてあった1日5000キロカロリーという今考えれば凄まじい量のご飯を食べました。改めて冷静に考えるとわたくしの過ちは2点ほどございます。1つ目の間違いはそのサイトは大人のプロのプレイヤーや全国大会に出場するような選手向けに書かれたサイトであったことでございます。わたくしのような弱小ラグビー部でそんな食事は必要ございませんでした。2つ目は筋トレを一切していなかったことでございます。我が母校にはウェイトルームがございませんでした。筋トレ無しでグラウンドに出てずっとタックルしたり走ったりしておりました。運動量は多かったと思いますがそれ以上に食べておりました。

そんなこんなでわたくしはずっとデブだったのでございます。現在21歳彼女がいたことなどございません。森唄鶴人という作者の書いている「死への恋路」を読んでいただくとわかりますが、その作品のヒロインにはモデルがおります。そうですわたくし夢見太が小学生の時好きだったこをイメージして書いているらしいです(急な宣伝)。その子のことがずっと好きで告白っぽいものもしたことがありますが見事に躱されてしまいました。それもこれもこの見た目でしょう。つまりわたくしはデブ。デブオブデブ。

さて、わたくしの自己紹介が終わったところで本題に入らせていただきます。

わたくし夢見太、ダイエットさせていただきます。夢見るデブこと夢見太は夢見ほそしになってみせます。なぜダイエットを決意したかをこれから綴っていこうと思います。理由は2個ございます。もうわたくしも21歳でございます。21歳というと、拳で抵抗できる歳でございます。生まれてから21年間彼女がいた事はありません。しかし、モテたいだとかそろそろ人生初の彼女が欲しいとかそういう理由ではございません。1つ目の理由はわたくしがバイトしていた時このように思ったことから始まります。

(バイトって、くそめんどくせぇ……)

これに尽きます。バイトってめんどくさいと思いませんか?大学生活という「人生の夏休み」と言われる人生でいちばん元気に自由を謳歌できる期間の1時間をたった1000円で売ることに違和感を覚えたのでございます。わたくしは急にバイトをしたくなくなり、その3日後にはバイトを辞めました。そこで問題が生じました。そう、バイト代という大きな収入が消えたのでございます。今までは結構がんばってきたので、ゲーム機を買っても全然余裕だったのですが、毎月カツカツで生きていかなければならなくなりました。そこで思いました。

「生活費を削らなければ……」

しかしエアコンを切ったり節水をしたからといって、削れるお金は雀の涙程度のもの。そこで、わたくしは気づいてしまったのです。食費が出費の中で1番大きな割合を占めていることに。そこでわたくしは食事の回数と量を減らすことにいたしました。さらにわたくしは気づきました。

「どうせならダイエットも同時にやればよくね?」

皆様がどのような感覚を持っているのかわたくしには分かりかねます。しかしわたくしはこう感じておりました。

安くて美味いものはカロリーが高い、と。

なので食べるものを買う際には安くてカロリーの低いものを買うようにいたしました。カップ麺というのは意外にカロリーが低い。さらにはスープで満足感が高い。またセール等々で買えば100円以下で買える。

またまた話が脱線しそうなのでこの辺でやめておきますが、要約すると1つ目の理由は食費を削るためでこざいます。

2つ目の理由はわたくしの親でございます。わたくしは上京して大学に通っております。なので夏休み、ゴールデンウィークなど長期休みになると実家に帰るのですが毎回母親が言うのです。

「あんたwまたww太ったねwwww」と。

母親を見返してやりたい。幼稚な理由であることは分かっておりますが、あの人を馬鹿にするような顔がまぶたに貼り付いて離れません。許すまじ母親。

以上が今回ダイエットを決意した理由でございます。

ところでお気づきでしょうか。今回のタイトル

「0日目」でございます。夢見太は12月末に実家に帰ります。ちなみにクリスマスの前に帰ります。全く用事がございませんので。……はぁ。

まあその話は置いておき、今回のタイトルは0日目でございます。なぜ「1日目」ではないのか。それは、12月末に実家に帰るまで、空腹との厳しい戦いが始まります。最後の休息を摂らせてください。お願いいたします。ということで、さっそく油そばを食べました。ラー油もドバドバ入れました。脂質は1g9キロカロリーなので、これだけでもヤバいカロリーでしょう。しかし赤紙を受け取り何かを決意した顔で戦場へ赴く男の最後の晩餐でこざいます。もっと食べさせてください。マックに行きました。テリヤキバーガー2つ食べました。美味かった。まだまだ終わらんぞお!!!ホワイトチョコレート!!納豆ご飯!!きな粉餅ぃ!!締めにとんこつラーメン!!替え玉ぁ!替え玉ぁぁ!!替え玉ぁ!!!

食いすぎました。これでもう胃は水も受け付けません。しかし1日目へ向けとても良い食事がとれました。もう悔いはありません。1日目から頑張ります。


夢見太

現在80キログラム

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