射殺されろ


射殺されろ

その指令が下された

おれは最前線へ向かった

激しく行き交う銃弾の中で

おれは死ななかった

死ななかったんだ

けしてな

戦争は見ているだけでは駄目なんだと気付いた

兵士が銃を構えたらすかさずそちらへ身体を乗り出した

おれがここにいるぞと主張した

だが時、既に遅し

そいつの放った弾丸は他の誰かを撃ち抜いたあとだった

そこへ無線が入った

「おい、お前の射殺は取り消しになったから至急、戻って来い、詳しいことはあとで話す」

おれは顔を上げた

凄まじく銃弾が飛び交っている

多分そうだろうなと思ったがおれが一歩、足を踏み出すと射殺された


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る