うはうは


「うはうはになりてえっ」

おれは叫んだ

昼食のマックを食べ終わり

今は本屋で立ち読みをしている最中だったが

うはうはになりたいという欲望が抑えられなくなった

本屋を飛び出し神社へと向かった

「はっはっ」

長い石段が運動不足のおれの足腰に心地良い刺激を与えた

真っ赤な鳥居を潜り抜けた

「うはうはになりてえっ」

小銭を賽銭箱の中に容赦無く放り投げた

祈った

「神様………どうかおれをうはうはにしてください」

神様は何も言わなかった

それを吉兆だと受け取めることにした

一体、いつうはうはになるのだろうか?

(まさかもううはうはに?)

おれは急いで石段を降ると足を滑らせ全治三ヶ月の重傷を負った

退院する時、医者に言われた

「もう大丈夫です」

でも生まれついてのその可哀相な脳だけはけして治りません


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