俺様の光


俺様の光を見せてやろう

俺様の光を掌で遊ばせて

俺様の光を放つ

俺様の光がこの世界に溢れるとき

灰色の季節を変えるだろう

俺様の光が無かったあの頃にはもう戻れない

俺様の光を崇拝しろ

讃えろ

だがやがて俺様の光は俺を囲み込んだ

俺様の光の中で俺はもがき

苦しみ

肺呼吸に失敗した

俺様の光から逃がれる方法を考え始めた

俺様の光は強度を増し

俺自身の手を離れ暴走してゆく

その日、初めて怯えた

他人事のよう眺めた俺様の光のその眩さに

まるで生き物のよう

ある日、俺を殺そうとしていた


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