第74話 直接強制申立事件の経過
タイトルの仰々しい事件の名称は、平成二十五年四月十八日、コヤブ弁護士が家裁に提出した報告書のもので、直接強制の経過について記されています。以下に抜粋します。
一、平成二十五年三月二十六日
神代崇司さんは、同日の午後八時の時点では、自宅におられませんでした。
※実家にいると分かっていても、自宅で強制執行という原則がある以上、一度は行かないと行けないようです。
次は、その三日後。
二、平成二十五年三月二十九日
同日、午後六時ころ、当職は執行官と共に、神代崇司さんの実家へ出向きました。最初は、執行官が一人で家屋の方へ出向き、私(コヤブ弁護士)は門扉の外で待機していることにしていました。
執行官の方が戻ってくるようでしたので、私は、状況の確認と神代崇司さんへの挨拶のために、玄関先へ向かいました。
※状況確認と挨拶と書かれているのは、自力執行が認めらていないため、敷地内へ弁護士が踏み込む権限がないからです。
続きます。
お子さんを引き渡してほしいことを片膝をついてまで懇願しました。
※嘘です。弁護士はさらっと嘘をつきます。
申立書に嘘ばかり書いたことを注意したら、「お気を悪くされたのなら、謝ります」と土下座のフリをしようとするから、「演技なら、しなくていいです」と伝えたら、片膝をつく前にあっさり中止したのが事実です。
しかし崇司さん側は
「どうして妻の嘘を真に受けて、こんな申し立てをしたのか。」
「書面に嘘を書くことを仕事にしているような弁護士は信頼できない。」
「私は、また妻と子の三人で暮らそうとしていたのに、それを邪魔するのか。」
などと述べた上、引渡しについては「抗告審の判断を待ちたい。」として、拒絶しました。
※小さな背丈に釣り合わないロングコート、大きな顔に喪黒福造のような三白眼。突然現れた異様な小男に衝撃を受けながらも、もっと論理的に詳細に説明したはず。
「生活費を妻が払っていた事実なんてないし、無職無収入だったこともない。それなら保育園に入れることさえできないですよ」と注意したら、「いや、それは…」と口ごもっていただけだった。
なお崇司さんの父親からは、私に対し、
「あんたは帰りなさい。」
「ここは私の敷地だ。あなたには入る権限はない。帰りなさい。」
「若造が。」
などという言葉を伝えられました。
※「嘘つき弁護士、帰れ!」と怒鳴られたことは、書かないようです。
どれほど申立書が嘘にあふれ、家庭裁判所が嘘に従って家事審判をしているかは、重々承知のことなのでしょう。
だからこそ、「なんで、申立書に嘘を書いたんですか」という私の詰問に対して、「嘘をついても、裁判所が認めれば、法律の正義です」という、法律家として一世一代の名言を言い放たれたのだと推察します。せっかくだから、ご自身の言葉も報告書に書かれたら良かったのにと心底残念に思います。
以上の直接強制の報告書が提出された翌日が、間接強制の審尋。この報告書は、強制執行が無理だったという理由で、暗に間接強制を求めるものなのだろう。
ちなみに、「子供の引き渡しの直接強制」に関して、弁護士が直接強制に反対する理由として、次のような意見があるようです。
・子供にも人格があり、強引な拉致は福祉に反する。
・子を物と同様に扱うことになる(子の福祉に反する)。
・明文規定がない。
私もそう思います。幼児にも意思があり、人格があり、基本的人権がある。
その幼児個人の人間性を徹底的に無視した家裁の判断に基づき、強権的に未成年者略取を行うのは、司法による幼児虐待だと思います。
家庭裁判所にはもっと真剣に子の福祉を考えてもらいたいし、裁判官の偏った判断を正当化するために、調査官までが報告書に嘘を忍ばせるような不誠実な方法を改めてほしい。正義の組織として、信義誠実の原則に、正しく従ってほしい。
人として、子を持つ親として、心からそう願っています。
余談ですが、コヤブ弁護士に何の怨みもなく、逆にその容姿を気の毒に思うくらいです。老婆心ながら言わせてもらえば、嘘の申立書を書いて「嘘つき弁護士!」と罵られ、強制執行で土下座の真似事をし、いくら金のためとは言え、もっと自尊心を持って仕事に臨んだほうがいいと思います。
きっと顔は心が作るもので、自らの嘘で歪んだ心が「喪黒福造」として顔に表れるんじゃないかと余計な心配をしています。
人は簡単には性格を変えられず、平然と嘘をつく人間が嘘をやめられないように、モグロ顔も簡単に変えられるものではないと思いますが、それでも、誠実に真摯に生きていれば、嘘つき呼ばわりされず、土下座の真似事をする必要もなくなります。
なかなか、世間で見ません。外で土下座する人。もっとプライドを持って、正しく生きてほしいものです。
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