色彩

私は初めて色を見た

いつも隣の綺麗な色を見ては恨み悲しみ嘆き、ありとあらゆるものを呪う

それが悪いとは言いづらい

けれども、私は色を得た

そして色を与えた

まだ知らない色もあるけれども

私は色を見つけた

声に出せた

晴天を喜び拍手を送り、ありとあらゆるものを祝う

わざわざ隣と同じモノを手に入れなくてもいいのだ

それが知れたこと

それが嬉しい

こんなにも自分が矮小であったのか、とは言わない

私は私であったのだ

色を見た

それは白と黒、それは青と赤

これから色を見るだろう

私は絶望するかもしれない

だが、そこは希望がある

綺麗な色とは言いづらいが、掘り起こせば何かがあるのだ

私は綺麗なものを見た

空の遠い遠い空の色を見た

私は生きていいのだ

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