お父様の事が大好きで堪りません

一ノ瀬 彩音

第1話 親子三人

私の名前は氷川詠美ヒカワエイミ


年齢19歳で職業は無職です。


私には父親と母親が居ます。


父親のお名前は氷川征都ヒカワイクト


年齢39歳で氷川邸の当主をしています。


母親のお名前は氷川綾香ヒカワアヤカ


年齢は39歳で専業主婦です。


氷川邸で親子三人で暮らしている。


私は父親が大好きで堪りません。


理由は私が無職でも父親はぜんぜん何も言ってこないからです。


それに父親は私の事をよく面倒を見てくれてるから大好きなのです。


毎日、父親に甘える私がいます。


それを見ている母親は決していい気分じゃないでしょう。


母親も私に何かをしようとしていますが父親にべったりなので何もできないでいる。


今も私は父親の横に座っている。


「お父様の当主のお仕事って大変なの?」


「そうだな、大変かもしれないし、そうじゃないかもしれない」


「お父様が健康あれば私はそれでいいかな」


「詠美は心配してくれるのか?」


「うん、それは心配するよ、お父様の事を大好きだからね」


私はお父様の唇に口付けをした。


もう一回お父様の唇に口付けをした。


「詠美、口付け上手いな」


「ありがとう、お父様」


詠美ったらまた征都とイチャイチャして……。


征都は私の夫なのに、何よ、もうっ……。


それに征都は詠美にデレデレしているから腹が立つ。


どうにかして詠美を征都から離さないといけない。


どうやって征都から引き離そう。


「詠美、いい加減に就活してお仕事をしなさい」


「お母様、別にいいじゃないですか、私はまだ19歳だよ」


「そういう事じゃないの、今のうちに働くというのを習慣づけないと困るのは詠美よ」


「そんなの知りませんよ、お父様が当主のうちは働かないよ」


「征都からも何か言ってあげなさいよ、このままでいいの?」


「詠美が俺が当主のうちは働く気がないって言うのだから、無理にさせる必要はない」


「征都がそう言うなら私も我慢します」


お母様は本当にお父様には弱いのね。


私もそんなお父様だから大好きなんだけどね。


「お父様、口付けして欲しいな」


「おぉっ、そうか、してやるぞ」


お父様は詠美の唇に口付けをしている。


お父様はもう一回詠美の唇に口付けをしてくれた。


征都は本当に詠美には甘いし、デレデレしているのよね。


イチャイチャしている所を見ているとイライラしたり、腹が立ってくる。


こうなったら征都を睡眠薬で眠らせて詠美を叱るしかないようね。


私は早速、三人分の飲み物を用意する。


征都の分には睡眠薬を入れて詠美と私のには何も入れない。


これで飲み物の用意はできたから運びましょう。


「征都、詠美、飲み物よ、飲んでね」


征都と詠美の前に飲み物を置いた。


すると征都は口に運んで飲み始める。


詠美も飲み物を飲んでいる。


すると征都の様子がおかしくなった。


「あれっ、どうしたんだ、急に眠気が」


「お父様、大丈夫?」


「詠美すまない、少し休んでくるな」


「わかりました、お父様」


征都は自室に戻っていった。


これでこのお部屋には私と詠美だけね。


詠美に説教できると思うとドキドキが止まらない。


「え・い・み」


「お母様何?」


「あのね、お話があるの、いいかな?」


「うん、いいよ」


「詠美……征都の事をどう思っているの?」


「お父様の事は大好きだよ、それがどうかしたの?」


「詠美は征都が私の夫であるという事はわかっているの?」


「そのぐらいはわかるよ、でもね、お父様の事は私がもらうよ」


「なんでそんな事をするのよ」


「理由は簡単だよ、お父様も私の事が大好きだからね」


「詠美……いい加減にしなさいよ、怒るよ」


「怒りたければ怒れば?」


私は憤りを感じる。


何なのこの子は……。


私の夫に色目を使って娘のくせして許さない。


私は詠美に近づいて目の前に立つ。


「お母様、どうしたの? 目が怖いよ」


「詠美には説教が必要ね、大人の色恋沙汰に踏み込んで」


「なんでそういう事を言うの? お母様ひどいよ」


「詠美、五月蠅い、黙りなさい、この小娘が」


「お父様に言いつけるよ? いいの?」


「できるものならしてみなさい、できればね」


「そ、それってどういう事なの?」


「どうなるかは詠美次第よ」


私は詠美の頬を手で叩いた。


「お母様、痛いよ、やめて」


私はまた詠美の頬を手で叩いた」


「痛いよ、お母様、本当にやめて」


詠美の頬を私は手で叩く。


「痛いじゃないの、このくそババァっ!」


「誰がくそババァですってっ!」


私は詠美のお口に両手を入れて引っ張る。


「い、痛いよ、お母様、やめて」


「やめません、詠美は反省しなさいよ」


「反省なんてしません、私は悪くないです」


「そんな事を言うのね」


私は詠美をどうしようかを考えている。


このくらいの事じゃぜんぜん反省する様子がない。


「詠美、いい加減にしなさいよっ! 大人を舐めるんじゃないのっ!」


「お母様が怒った、いくらなんでもひどいよ」


「詠美が悪いんでしょ」


「なんで私が悪いの、教えてよ」


「小娘の分際で夫に色目を使ってさっ、何様のつもりよ、人の夫に手出してるんじゃないよ」


「私だってお父様の事が大好きなの、お母様には負けないくらい大好きなの」


「まだそういう事を言うのね」


「お母様には負けない」


「いい度胸ね、詠美、私と勝負しなさい」


「勝負?」


「そうよ、勝負、10日間限定でね」


「勝負してどうするの?」


「詠美が勝ったら征都の事を好きにしていいよ、でも、私が勝ったら二度と征都には近づかせない、

それでいいよね」


「うん、それでいいよ、負けても勝っても恨みっこなしだよ」


「そうね、恨みっこなしよ」


詠美と綾香が10日間で勝負する事が決まった。


これは詠美の方が有利に思える。


しかし、綾香もただでは終わらないと感じる。


果たして征都の心をつかむのはどっちだっ!

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