第59話:伺いたいことがあるのですが。



 ルザハーツ家の別邸。

 ライツ達が城から戻る間、愛那はナチェルとモランと一緒に、お茶をしながら時を過ごしていた。

「それじゃあ、ナチェルさんとモランさんは学生の時、ライツ様と一緒に生徒会をやっていたんですね!」

「そうです。ライツ様が会長で、俺とナチェルは主に会長の手伝いという形で仕事をしていました」

 モランが微笑んで答える。

 ライツの話を聞く愛那の表情は、好きな相手のことを想う少女のそれだ。

「私たちの実家はルザハーツ領にあり、幼い頃からライツ様とは親しくさせていただいていたんです。その関係もあり、生徒会もライツ様から誘われて入ったんです」

「へぇ・・・・・・。いいなぁ、見たかったなぁ。かっこいいだろうな。生徒会長のライツ様」

「・・・・・・」

 ナチェルとモランの目が合う。

 言葉にしないまま視線で会話する二人。

「お前が訊け」というようなナチェルの目に負けたモランが口を開く。 

「あの、伺いたいことがあるのですが」

「はい?」

「えっと、マナさまは・・・・・・、もしかしてライツ様のことを?」

「え?」

「え、え~っと」

 困ったように笑うモランに、呆れて小さく息を吐いたナチェルが口を開く。

「お好きなのでしょうか?」

「はい? え? え!?」



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