第17話:登録するのは無理そうです
受付窓口は閑散としている。
冒険者登録の手続きが見たい愛那は、しばらく受付近くの椅子に座って誰か来ないかと待っていた。
(まあ、そんなに都合良く、冒険者登録したい人が来るわけないか)
そう思ったところで、愛那よりも年下であろう少年三人組が窓口へと向かう姿が目に入った。
「オレ達、冒険者登録したいんだけど」
少年の一人が窓口のお姉さんにそう告げると、愛那は(来た────っ!)とテンションを高くして立ち上がった。
いそいそと少年達のいる窓口へと近づく愛那。
「三人とも、登録希望ですか?」
「はい」
「それじゃあ、この書類にそれぞれ記入して下さい。上から、今日の日付を書いてもらって、次に名前と年齢、出身地、現住所、学歴、そして、下の空欄には特技を書いて下さい」
(・・・・・・あ、ダメだわ私。この時点で、名前と年齢しか記入できない)
少年達が記入した書類を窓口のお姉さんが確認する。
「風魔法に火魔法、水魔法ですね。それでは三人とも、実技の資格試験会場は二階ですので、そちらの階段で移動します。職員が案内しますのでお待ち下さい」
(実技の資格試験!? 試験があるんだ? って、待って待って、魔法?)
ギルド職員の男性を先頭に、階段を上って移動する少年達の後を追いながら、愛那は期待に顔を輝かせる。
(もしかしなくても、魔法が見れる?)
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