フリック
英作文を仕上げようと、机に向かっている時だった。友達のユキからメッセージ。
( gfag )
なんだこりゃ。一歩遅れて思い出す。そうだ、この作文でいい感じに使えそうな英単語ないかって聞いといたんだった。これなんて読むんだろ。ぐふ……ぐふぁぐ? 一ミリも聞いたことない単語だけど、まああの子頭いいから間違いないでしょ。なんて思ってると――
( gfaggfaggfaあす )
( なに? )
……どういうこと? あす? 明日テストかなんかあるってことなのかな。そんなに大事な単語なんだろうか、ぐふぁぐ。と、急に二件とも送信取り消しされた。
( ごめん間違えた! )
( なんだびっくりしたよも~ )
( ごめんね )
( 英単語かと思ってちょっと作文に入れちゃったじゃん )
( あはは、おっちょこちょいだね )
どっちがおっちょこちょいだ。ユキってこんなにお調子者だったっけ? またメッセージ
( 明日早めに学校集まらない? 英作不安だから見て欲しい )
( ユキの英作を私が!? なんて恐れ多い 《震えるかわいい兎のスタンプ》)
( OK じゃあ六時くらいに校門で良い? 渡したいものもあるから )
( もちろん! )
また明日のスタンプを送って、私は書きかけの英作に向き直る。ユキと見せ合うならしっかりやらないと。今夜は長くなりそうだ……
※※※
後日、某市アパートにて二人の女子生徒の遺体が発見された。
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