第575話 『お邪魔しまーす♪』

 《ツクヨミの部屋》


 「はぁ……はぁ……」


 この部屋ではツクヨミは具現化されていて、ネオンライトが点灯しているバーの様な部屋には冷や汗を出して息が荒いツクヨミがまる椅子に寄り掛かるようにして床に座っていた。


 「……どうした?」


 「……」


 その光景を心配そうに見ているジュンパクとヒロユキ。


 「ら、らしくないじゃん、いつもの調子はどうしたの?ビッチみたいな」


 「フ、フフ……たしかに……僕がこんな風になるなんて……何年ぶりだろ」


 「……何があった」


 「………………あの時、不死鳥を僕の世界に飲み込んだ瞬間、声が聞こえたんだ」


 「声?」


 「うん……」


 「その声って?」


 「彼女の声……女神の……」


 「何て言ってたの?」


 ツクヨミはジュンパク達を見ずに言った。


 「…………『やっぱり私が行かないとダメかぁ』って」


 その瞬間、ドアがバタン!と言う音が部屋に響いた。


 「「「!?」」」


 振り向くとピンクハートの装飾がされた可愛いドアがあった……それを見てツクヨミが慌ただしくなる。


 「知らない!僕はこんなドア知らない!」


 「……と言うことは」


 「女神!?」


 


 「…….…」


 「………」


 「………」



 3人とも神経を張り巡らせる。


 

 そして____



 「「「!!!!」」」



 ドンドンドンドン!ドンドンドンドン!と外から扉を叩く音がして一気に静寂が破られた!


 「ツクヨミ!」


 「うん、今やってる!くっ!何て力だ!」


 「……」


 ツクヨミの力でドアが開くのを押さえつけようとするがドアはカタカタと少しずつ開いていき、外からおぞましい殺気が部屋中に流れてきた!


 「……ジュンパク!」


 「うん!」


 すかさずヒロユキとジュンパクはドアを押しに入る。


 「……」


 「……閉まった?」


 「……」


 3人の力でようやくドアは閉まり殺気も遮断され、音も無くなった。









 ______だが











 『キャハハハハハ♪ひっしすぎ★こう言うのアオイちゃんの世界では必死すぎワロタって言うんでしょ?♪』







 「な!?」






 「……いつのまに」




 

 『え?最初からだよ?だってみんな気付かないの?最初に聞こえた音は____』














 『“ドアがバタン”と言う音だよ?』














 




 


 

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