第546話 対策は完璧


 「くっ!」


 「ほらほらですぞ!」


 周りに自動追尾の氷の剣を生産しようとするがことごとくに爆発し攻撃が出来ない。


 それどころか


 「おくんなましー!」


 ムラサメとラクネの隙のないコンビネーションに翻弄され自分からは攻撃できない!


 「アナタの武器は強力、だが勇者としての血が薄いアナタではそこまでが限界ですぞ!」


 「また、それか!」


 どいつもこいつも勇者勇者と!


 「当たり前ですぞ!勇者が来て世界が変わった!そしてあの人にも会えた!許してもらえた!」


 「くっ!」


 「どれだけそれが嬉しかったか!アナタには分からないですぞな!」


 次々と連帯攻撃をしてくる2人に防戦一方だ。

 くそ!隙がない!


 「どうしたですぞ!我らを2人まとめて倒すとか言ってなかったですぞか!」


 「そちらこそ!2人で攻撃していてこのザマか!」


 「硬いとは聞いていたがここまで硬いのは私としても予想外ですぞ、だがそれもいつまで持つか」


 「私を舐めるな!【目撃護】」


 攻撃をするため、目撃を発動させたが、甘かった。


 「今ですぞ!」


 「!?」


 「爆発!ですぞ!」


 その瞬間、小さな爆発が私の身体の周りで起こる。

 それは連鎖していき止まることを知らない……これは……まさか!

 

 「ぐ……」


 「解きましたね!目撃を!」


 再び、同じ様な状況になる。


 「くそ!」


 「アナタの最大の魔法【目撃護】は自分にくらうダメージを魔力を削り受けるもの」


 「くっ!」


 「それはつまり身体の周りを魔力でコーティングしてると言うこと、それをトリガーに我が武器は能力を発揮するですぞ!」


 そう、目撃護を発動した瞬間、今までにない程の魔力消費量を味わった、魔力を感知しピンポイントを爆発する能力……つまり、あれを使う限り永遠と爆発し続けるのだ。


 「肉弾戦ということか」

 

 今出しているこの盾と剣は物質という判定なのか、それとも何か他にも条件があるのか爆破はされていない。


 「そう!ですぞが、そうなれば此方が有利ですぞ」


 「くっ!」


 連帯攻撃、少しでも集中力が切れて反応が遅れると私はダメージをくらうだろう。

 

 「残念ですぞが、一手足りなかったみたいですぞな」


 「……」


 確かに、防戦一方で此方からの攻撃ができない。

 隙があれば少しでも攻撃してやろうかと思ったが流石、元代表騎士だけの事はある。


 一手足りない____だから、私は


 「早いな、もういいのか」




 “彼女”を待っていた。















 「あーたんきーーっく!」




 「ですぞ!?」


 「!?」


 空高くから落ちてきた“全裸の獣人”の存在に気づきムラサメとラクネは私から距離をとって避ける。


 「お前は!ですぞ!」


 彼女は先程の魔物の姿ではなく、白いロングの髪に白い大きなアールラビッツの耳の大人の女性の姿……そして、赤い目を真っ直ぐ2人に向けてグローブを装着している拳を構えた。








 「あーたん完全ふっかつ!」






 


 

 

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