第9章
第538話 『アオイちゃんゲームはーじまーるよー♪』
『
『ちなみに馬鹿みたいに弱いモブキャラのみなさんには退場していただきました♪』
「おかぁさん!」
テントから出てきていたユキはステージに現れたアオイを見て駆け寄ろうとするが
「ユキ……」
隣にいたキールによって止められる。
「どうして止めるんです!やっとおかぁさんに__」
『眠れ』
そのアオイの声がマイクから聞こえてきた瞬間ユキは電源がいきなり落ちた機械の様にその場で前に倒れる。
「ユキ!」
『安心して♪眠ってるだけよ』
キールはユキを抱き抱えて確認すると確かに息をしていた。
「……」
『え?何本当に安心しちゃってるの?私が眠れって言ったんだからそれはつまり起きろって言わないと永遠にそのままなんだけど?』
「っ!!」
『何何?言わないと気づかないの?馬鹿なの?死ぬの?』
キールはアオイを無視して【武器召喚】を行おうとするが
「何!?」
盾は出なかった。
『目撃護を使って解こうとしたのかな?でもざーんねーん、盾出なかったね?キャハハッえーっと、こういう時どう言ったらいいんだっけ?あ、そうそう!ねぇ!今どんな気持ち?今どんな気持ち?』
「貴様ぁ!」
声を荒げるがキールは攻撃はしない。
解っているのだ、今がどんな状況か。
『さって、と、みんなお察しの通り現在のアオイちゃんはアオイちゃんであってアオイちゃんじゃありませーん、一体どこから?正解は魔神を殺した時からでーす♪』
「……!」
『そうヒロユキくん、あの時からもう別人、アオイちゃんの真似してたけど気付かなかったみたいねぇ残念、でも安心して?そこに居る無能な【神の使徒】達すら分かんなかったんだから』
そう言われ、ルコサは答える。
「いやー、やられたね、キーくんのさっきの事といいまさか君がそこまで力を持っていたなんて」
『ふふ、褒めても何も出ないぞ♪ぐーたらめんどくさがり男♪と言っても、完璧な私を見抜いた人が1人、この中に居たみたいだけど……』
アオイは今も尚、信じられないと言う顔をしているリュウトを少し見た後に本題に入る。
『私がここに来て正体を明かした理由は1つ、そろそろ白黒つけようかと思ってね?』
「へぇ……やっぱり君は『そっち』側に付いたのか」
『……』
「?」
『ま、何と思っててもいいわ、白黒つけると言ってもあなた達の敗北は変わらない、だって私1人であなた達全員殺せるんだもん、でもそれじゃぁつまらない』
アオイはステージに大きな映像を出した。
『名付けて!アオイちゃんげーむ!パチパチパチパチ』
映像にはピンクのぽっぷな文字で《アオイちゃんげーむ》と出てきてアオイの拍手だけが鳴り響く。
『ルールは簡単、私が今からみんなを完全回復させてあげた後、みんなをそれぞれ転移させるね♪私の用意したステージと私の用意した敵を殺せばそちらの勝ち、もちろん、その中に私も含まれるけど私は最後の最後、残った人の中から抽選で私と戦う人を選ぶわ』
「……」
『異論はないみたいね?と言うか、フフッ、みんなに声出されると面倒だから私が許可した人しか今声出さない様になってるんだけど♪』
そう、アオイが出てきてからみんな『無意識』に黙ってしまっているのだ、それは魔法というより呪いに近いものだろう。
『じゃ、みんな、がんばってね♪』
その瞬間、全員の足元にピンクの魔法陣が展開され消えていった。
『……』
誰もいなくなった場所でアオイは先程までの作り笑顔を無くして一言呟いた。
『また食べなきゃいけないのか……飽きたな……』
』
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