第521話 まだまだ行ける!
《アカネ、ジュンパク達》
「はぁぁぁぁあ!!」
「てりゃー!」
魔神城の前で永遠と森から出てくるタナトスを倒していくアカネ達。
もはや、その戦闘区域では山火事が起こっていて明るく【光源】などはいらなくなっていた。
「はぁ……はぁ……」
1番辛くしているのは戦っているアカネ達ではなく、アンナ……彼女はアカネ、あーたんに補助魔法、治癒魔法をずっとかけ続けている。
さらに……
「すいません!行きました!」
アカネ達が頑張っているとはいえ数が数、何匹かは抜けてくる。
「っ!」
すかさずアンナは自分の持っている木の杖でタナトスの攻撃を避けて頭に刺す。
現在のアンナの木の杖の先にはタナトスの尻尾の先端がくくりつけてある……目には目をという発想だ。
「シャァァァ……」
緑の血が頭から吹き出してアンナにかかる。
「あーもう!気持ち悪い!」
「ごめんなさい!アンナさん!」
何匹ものタナトスを倒しながら謝るアカネはもう血を浴びすぎていてすごいことになっている。
「いいのよ、それよりまだ行けるわね?」
「はい!リュウトさん達が出てくるまで頑張ります!」
「ますたーはやくぅ」
「頑張りなさいあーたん」
「はぁーい」
「あ、あの……ユキは本当にこれだけで良いんです?」
「ええ、アナタはその魔法陣に魔力を送り続けなさい、むしろそのおかげで助かってるわ」
「はいです!」
ユキが魔力を送っているのは簡易的な【結界】
能力が町で使われている物より落ちているとは言え外では何百体ものタナトスを止めているだろう。
「(この子……今思ったけど息が上がってない……とんでもない魔力の持ち主ね)」
直接的な結界を張ってる以上、結界に攻撃をくらえば修復にそれだけの魔力を持っていかれる。
だが、リュウト達が入ってから今までユキ1人だけで持っているのだ。
「それに……アイツ……」
アンナは反対方向で凄まじい強さを発揮しているジュンパクを見る。
彼女……いや、彼は今、胸が発達し髪も長髪でうさぎ耳を生やして次々とタナトスを“白い鎖鎌”で狩っている。
「アカネ達の何倍倒してるのよ、しかも私の補助なしで……」
動きを見れば【限界突破】を使っているのはアンナには解っていたが、それでもだ。
「o.v.c.c.t」
独特な言葉を発しながら魔皮紙をばら撒き上手く使って倒していく。
「ちっ、腹が立つけど助かってるわ……これならまだまだみんな行けそうね……“そろそろ朝になる”けど、ここから長くなりそうだわ……」
そう……アンナ達は気付いていなかった。
神の島は日が出ている時、【ヒュプノス】が降臨している事を。
{ジュンパクくん、気をつけて}
「?」
{もうそろそろ、僕の力が弱くなり……彼が来る}
日の出と共に【神の島】は濃い霧に包まれた。
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