第164話 昼食!
《12:00》
「さて、と」
さっき二時間前くらいに食べてもう昼食?って思うでしょ?ノンノン、いまから作って大体13時、そして昨日聞いた限りではユキちゃんは21時には寝る。
つまり、これがこの家の普通なのだ、人のご家庭にはそれぞれあるからね、環境が……それに合わせれるのが最強の奴隷なんじゃないかと思う。
「って!いつから奴隷であるのが当たり前になってるんだぁあ!」
「ひゃ!?おかぁさん?どうしたのです」
「あ、ごめんねユキちゃん、こっちの話よー」
「そ、そうですか」
「ところでその口調はだめだよ?」
頭をポンッとするとユキちゃんは不思議そうにこっちを見てきた……さっきまでつい癖で敬語になってたからなぁ、すぐに子供は真似したがるのを忘れてた。
「おかぁさんじぃじにいってた!」
「うーん、そう言われると……あ!そうそう間違ったんだよ」
「間違った?」
「うん、お母さんはね、家族じゃない人にはそう言ってるんだよ?だからユキちゃんも家族じゃない人にはそれでいいけど、お母さんとじぃじにはそれはだめっ」
「はーい」
「よろしい」
「えへへ~」
撫でるとこの子は本当に嬉しそうにするな、かわいい、この可愛さ!伝えたい!この笑顔!
「さて!じゃぁ何作ろうかな?」
「何作るの~?」
「うーん」
ユキちゃんは日頃じいさんが居ない時に作ってるって言ってたけど包丁とか握らせるの怖いなぁ……
「そうだ!焼き肉にしよ!」
「ふぇ?お肉……焼くだけ?」
「ちっちっち、甘いよユキちゃん、焼き肉は肉を焼くだけだけどみんなで食べたらそれはもう美味しいんだよ」
「みんなで.……うん!」
「さて!じゃぁ色々しなきゃだね、焼き肉にするには適切な長さに切らなきゃだけど……あ、ユキちゃんは野菜とか洗ってきて?」
「はぁーい」
ユキちゃんは編みかごに入ってる野菜を適当にとって外に洗いに行った、ここは山の中なので少し出たところに湧き水があるので、そこに行くのだろう。
「滑らないようにね~」
「はぁーい」
「さて、とやりますか!」
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《14:00》
家の前に少し大きめのしちりんを置いてそれを囲うように座っていた、もちろん、素材である野菜やお肉は奴隷である俺のとこにある、焼くのは俺の役目だ!いや、ダジャレじゃなくて!
「じゃぁいただきます」
「いただきまーす!」
「ほっほっほ。」
「じぃじ!食べる前に手を合わせていただきますって言わないとだめなんだよー!おかぁさんが言ってた!」
それを聞いてじいさんは此方を見る。
うわぁ、ごめんなさい余計なこと教えてしまったかな?しかし、じいさんはニコッと笑いユキに優しく語りかけた。
「ほっほっほ、それはすまんのぅ、お母さんの言うことを聞いて偉いぞユキ」
「えへへ、ユキ偉い!」
「じゃ、じゃぁ、改めていただきます」
「「いただきます」」
焼肉を並べてると、まだあまり焼けてない肉にユキちゃんが手を出した、まったく……
「だめだよユキちゃん、お肉は焼きが大切だからまだ待たないと」
「ふぇ……お腹すいた……」
「ふふ、空腹は最高の調味料、いまは我慢我慢」
「うぅ……」
そうそう、どっかのおばあちゃんもそう言ってたみたいだしね。
というかユキちゃん、よだれたらしながらってアニメじゃないんだから。
こんな感じで昼食は「家族」で楽しく過ごした。
幸せな、“普通の生活”
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