「あのね、杏奈さん、結婚を前提にお付き合いしてる人がいるんだって。今度彼氏さんを紹介するねって、すごく照れながら話してくれた顔がすっごく可愛かったよー。」

今日も琴葉は嬉しそうに雄大に話す。

雄大としては、杏奈の照れた顔よりも今のキャッキャしている琴葉が可愛くてたまらないのだが、とりあえずうんうんと相槌をうつ。

「それでね、私も雄くんにプロポーズされたって話したら、とっても喜んでくれたの。」

ほんのり頬を染める琴葉がいじらしい。

そんなプライベートなことまで、女性というものは話好きなんだなと雄大は思った。

「今度お家に招待してもいい？」

「そんなに仲良くなったんだ。さすが琴葉だな。家に呼ぶのは全然構わないよ。」

「ありがとう！あ、でも杏奈さんおしゃれな方だから、うちだと古くて幻滅しちゃうかな？」

「杏奈はそんなやつじゃないだろ？」

妙なところを気にする琴葉に、雄大は苦笑する。

思えば、一緒に住むとなったときも、琴葉は家が古いことを気にしていた。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい