07
***
翌日の昼休み、雄大は思い立って昨日地図で場所を確認した【小さなパン屋minami】へ足を運んだ。
住宅街の路地を曲がると可愛らしい小さな立看板があり、迷うことなくここだとわかる。
隠れ家のような小さな店だが、ガラス張りの窓に大きく開かれた入口。
客が数人並んでいて人気店なのかと思わせたが、近づいてみてその理由がわかった。
店内が狭いのだ。
自分で好きなパンを選んでレジに持っていくスタイルではなく、珍しくショーケースに並べられているパンたち。
まるで洋菓子店のようだ。
斬新なスタイルに惹かれて、雄大は列に並んだ。
普段は行列なんて面倒で敬遠するのに、何故だか並んでみようという気持ちになったのだ。
行列といっても数人なので、思ったよりすぐに店内へ入ることができた。
店内は外からの光りが柔らかく差し込んで明るく、落ち着いた色合いで統一されている。
スペース的には小さいはずなのに床に視覚効果が施されているのか、小ささを感じさせない空間デザインだ。
なるほどと感心していると、先にいた客が会計を済ませて出ていった。
「お決まりでしたらお申し付けください。」
声をかけられそちらを見ると、可愛らしいエプロンと三角巾を身に纏った店員にニコリと微笑みかけられ、はっと我に返る。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます