ヒマな人に仕事をさせてはいけない。

あるところに、あまり仕事のないおじさんがいました。

まったくないのであれば、ビルの地下にある社史編纂室の、さらに窓際の席に座っているのでしょうが、おじさんにはある特定の仕事が割り振られているのです。


なぜ、困るかって?

ふだん、自分の能力の見せ場が滅多にないために、その特定の仕事でここぞとばかりに張り切り過ぎてしまうからです。


その仕事は、数十のを紹介する小冊子を作ること。

本当はその仕事でも、おじさんは「いればいいだけ」なのですが、滅多にないチャンス、存在感を最大限に発揮したいと考えます。わかりやすい人です。


そこで、どういうことが起こるか。


なにしろ、おじさんには時間だけはたっぷりあるのです。座って新聞を隅から隅まで読んでればいいものを、もう印刷を待つばかりになっている原稿をなぜか突然手に取ります。読み始めます。


そして、内容にドヤ顔で変更を入れてきたりします。


すべて、自己アピールのためです。


1こんな細かいところに気づくボクって、すごいでしょう?

2ボクのコピーセンス、すごいでしょう?

3ボクは読解力があるから、内容がわかりづらいのは書き方が悪いせいだ、ボクが正してあげよう!

4ここは内容が重複してるから、片方削った方がいいよね!

……etc.

1→何の足しにもならない、どうでもいいことばかりです。あるいは、好みの問題です。

2→キャッチーなフレーズを気まぐれで書き換えても、ほかとのバランスが悪くなるだけ。中には、地味な案件もあるのです。

3→もう一度よく読めばわかります。人によけいな手間をかけさせるのはやめましょう。

4→そこを削ると、文脈がわかりづらくなります。


みんな必死でスケジュールに間に合うように残業もしてきたのです。こんな最終段階になるまで何もしてなかったのに、突然思いついたように原稿をチェックし出して、ドヤ顔で変更を指示して、本人は気持ちがいいのでしょうが、みんな 大・迷・惑 です。どうでもいいトンチンカンな直しのために、徹夜です。


ボクの指示通りに直せば簡単じゃない? とおじさんは思っています。でも、言う通りに直すとおかしくなるところの方が多いのです。

そもそもおかしくないものを、わざわざ別のおかしくない書き方に苦労して変更する無意味さ。まるで、痛くない腹にひまし油をがぶがぶ飲ませて、下痢止めを買いに走るようなものです。


おじさんは偉いのかもしれません。誰も、面と向かって上記のようなことは言えないのでしょう。でも、おじさんのアピールのせいで、誰かの健康が、誰かの個人的な人間関係が、誰かのメンタルが、確実に損なわれます。


アピールのしかたを間違う人には、本当に本当に困ったものです。。。


そして、そのような人は必ず「自分はいい仕事をした」と、とても満足しているのです。どうでもいいことでも、ほじくり出せば人が動く。さぞ、気持ちがいいでしょう。達成感もひときわでしょう。


——とっとと、社史でも編纂しろ!!


でも、創業50周年は終わったばかり。あと10年は、社史もほったらかしでしょう。。。




***


全部、想像ですが、昨日からのてんやわんやの元凶、だいたいこんなとこでしょう。。。


というわけで、昨日は皆様、励ましのコメントをいただき、ありがとうございました!!

あのあと結局、よけいな直しを朝の4時半までやって、本日やっと最後の20本目の原稿を上げて、本当は祝杯も上げたいところだったのに、また今夜とか明日に後発分の原稿の直しが来るんだろうなぁ〜〜と、もう悟りの境地を開いております。


コメントのお返事、皆様の作品への訪問、週末には必ずや!!と思っています!!!

すみませんm(_ _)mm(_ _)mm(_ _)m

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