光と闇──ボードレール讃
紅き空の虹は言う。
「私に血は流れていない」
ちょいと目配せをして、それから霧の洞窟を私は歩く。すると、出逢った蛇がするすると言う。
「私に嘘は書かれていない」
そこで私はその紫煙の蛇を潰して奥へ奥へと進み入る。
洞窟を抜けると、
「天国は
(束の間の休息。
ああ、虹よ、虹よ!
私は今、
蛇よ! 私は今、何を語る?
闇よ、我が愛しき闇よ! 超人よ、麗しき女王よ!
私の天国は、何処にある?
ああ、休息よ! 私の永遠よ! 沈黙よ!
──私の死は、一体何処で何を知る?
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