第15話 誰も知らない国から

誰も知らない国から来たあの人は

見たこともない衣装を身に纏っていた

誰も知らない国から来たあの人は

聞いたこともない歌を歌っていた

誰も知らない国から来たあの人の考えていることは

誰にもわからなかった


 なんであなたはここに来たの?

 知らないところへ行ってみたかったんだ

 これからもずっと旅を続けるの?

 僕はとどまることはできないんだ

 ねえ

 なんだい?

 私をどこか知らないところへ連れて行って


あの人は次の日来なかった

次の日も その次の日も

誰も知らない国へ行ってしまったのだった

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る