第4話 光の黒髪

 今日の放課後の部活。 

 

 柚木さんのメールのせいで全然寝れない俺は、今度こそ説得しようと決意しながらいこうとする。


「耐えられない。寝不足になる」


 目が充血し、顔には隈ができている。

 

 体調の優れないなか廊下を歩いていると、黒髪ツインテールの女子が泣いている。


(無視だなここは、めんどい絶対)


 そう思いはしたが、涙を流すその子の顔は可愛かった。

 

 罪悪感が増す。


「ねぇ、なんで泣いてるの?」


 結局耐えかねて声をかけてしまう。


「親が離婚しちゃって」


(重い話題きたー)


 運の悪さに心の中で棒読みする。

 これは無理だわと思った俺は立ち去る。


「そうか、じゃあな」


 そう言って立ち去ろうとする。

 

 だがどうしても、ほっておけないのはなんでだろうと振り返る。


「もうちょい付き合うよ。廊下でうずくまってる君に」


 俺の言葉が嬉しかったのか、その時見た笑顔がとても魅力的だったことを今の俺でも覚えている。


「ありがとう」


 だが、ここから彼女はおかしくなる。


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