悪役令嬢がラスボス化したら戦闘力は低いけど戦う前に殺るタイプのヤバイ奴になりました。 黒銘菓短編集12弾

黒銘菓(クロメイカ/kuromeika)

発端

「出来たか?」

玉座の間に座す女は、目の前で跪く男に言った。

「はっ、仰せの通りに致しました。

魔王様の思惑通りです。」

「宜しい。下がりなさい。」

男の報告を聞いた女は表情一つ変えずに言った。

「では。」

男は玉座の間から出ていった。

(何が宜しいだ!玉座は私の物なのに威張りおって!)

男は元魔王。現魔王に従わされている魔王だった。




そして、現魔王の正体は人間の『悪役令嬢』だった。








ある日、魔王城に人間の女が来た。

その女は人間国からの人質。生贄だった。





少し前まではただの人質。

しかし、女は見張りの者に入れ知恵をして大躍進させた。

元見張りは権限で女の城内での自由を与えた。

時間が経ち、彼女の周りは大躍進。

あれよあれよという間に私は悪役令嬢に玉座を渡す羽目になった。




が、実際。

悔しいが、敗けを認めざるを得ない。

何せ奴は、人間の王と勇者を触れずに倒したのだから。

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