モモと 〜夜に墓場で運動会は流石にしないが、昼間にピクニック程度なら毎年する県のお話し〜
U-10
プロローグ 〇〇と……
「……ガ、モモ……、……ラン」
「……ニゲ……ヤ……)
――
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――――――
徐々に広がっていく闇……
願う事しか
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出来な……
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『……』
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『……、……』
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『……………、……………』
(……な、に……?)
――――――
鼓膜が震え、意識を揺さぶる。
濁ったソレは、遠くからのようで。
すぐ側からの様にも感じた。
――――
『』
ソレが消える。
意識に明かりが灯る。
――
それはまたたく間に広がっていき……。
そして。
(っ、ぅ……)
耐えられず、瞼がこじ開けられた。
(――まぶ……し……)
白。
最初に感じたそこから、徐々に浮かび上がっていく景色と輪郭。
何度めかの瞬きの後、数滴の雫を目尻から落としながら、霞む視界は落ち着いていった。
意識にはまだ多くの余白を残しているが、自身が今し方目を覚した、今まで気を失っていたのだと、辛うじて認識が出来た。
(うっ……ん?)
目の周りの水分を拭おうと試みる。
しかし、四肢の感覚が遠く、指先が多少震えるに留まった。
自身を揺り起こしたモノは、もう聞こえてこない。
静寂が高音となって耳に刺さる。
――どれだけ経っただろうか。
未だ朧気な意識の中、不自由な身体を持て余している。
視界の端で、ふと何かが動いた……気がした。
指示に従わない首、ゆっくりと動く瞳。
ようやくたどり着いた視線の先。
しかし、そこには何も映らなかった。
(――くらい)
そう、文字通り何も映らない。
目で追っていたであろうモノ、先程まで見えていた景色、輪郭、光でさえ、今は目にする事が出来ない。
ただ、黒い霧のようなもの……それが、今視線を向けている先、視界全体を覆っている。
まるで、先程見ていた自身の正面、そこ以外の世界が存在し無いかの様に……。
(――ゆめ?)
理解出来ない現象。
自由の戻らない身体。
未だ余白の多い意識。
そんな現状に対し、「完全な覚醒には至っていない…」つまり『寝ぼけている』と、そんな結論を導き出した。
瞼をもう一度下ろす。
――――
ゆっくりと意識を手放す。
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――――――――――――――――
『 』
耳鳴りが遠く響いた……。
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