第5話「予想」

 リビングで夕食の完成を待ちながらメールの返信。誰も注視しないテレビ。ぼんやり音声に耳を傾けていたら、


「明日の首都圏は、ところによって雨が降ったり降らなかったり、最低気温が0℃を下回ったりするかもしれませんが、わたくしの知ったことではございません」


 何をバカな……と思って顔を上げた。モニタの中の気象予報士と目が合った。彼女はとぼけた表情でそっぽを向き、ペロッと小さく舌を出して笑った。

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