第206話 帝国と同盟締結

結局帝国の使者は帰り、帝国は気功士王国を国家として承認する宣言を行った。


まあ、帝国は対魔王軍の一角である学園都市の魔法兵団が壊滅した為、早急に替わりの戦力である気功士を、対魔王軍に参戦させたかったのだろう。


帝国が気功士王国を国家承認した事で、気功士王国を取り巻く周辺国の対応は急変した。


エルフ国とハーピー国が事前の根回し通り、国交樹立に向けて動き出すと、その周辺の亜人国家は雪崩をうつ様に、気功士王国の国家承認を行い、国交樹立の要請が相次ぐ。


宰相は大忙しだ。


気功の修行をする暇はない。


帝国と軍事同盟と通商条約の締結も平行で行う必要があるからね。


文官総動員で外交を行う。


早く落ち着かないかねぇ。


ところで、ライル王国とダドン王国とカンデン王国の3国は、気功士王国を国家承認していない。


かといって、再度軍を編成するほどの余力は無いので、静観している。


なんて言いながらレベ上げの毎日だ。


ダンジョンマスターであるキングライオンのキンちゃんも、仲間になっている事から 、百獣迷宮の出現モンスターを自由自在に変更出来るので、経験値が美味しいモンスターを出現させて、効率の良いレベ上げを実施しているのだ。


俺のパーティーとして、この後一緒に行動予定のエルフのエリとハーピーのハルカ、ケット・シーのペロ、雪女のユキは元より、気功士達も相当レベルを上げる事が出来た。


各国と国交樹立をするとともに、各国から魔力が無い者が多数気功士王国に入国し、国民となったり、学園に留学して来たりしており、彼らも初級の気功士として百獣迷宮で修行している。


魔力の無い者達は、気功士の卵として、各国の地位も向上し、打倒魔力偏重社会もある程度形になってきたと思う今日この頃だ。


当然、初級の気功士達が百獣迷宮の上層でちんたらレベ上げしている裏では、スケルトンナイト部隊やヴァンパイアナイト部隊も、百獣迷宮の下層で爪を研いでいる。


将来魔王軍や帝国と気功士王国が単独で戦える様に、魔法兵団や3国連合軍の兵士達も、モンスター化して、戦力増強とレベ上げも行っている。


この新規戦力はダンジョンポイントが有り余っていたので、初めから結構強力なモンスターとして召喚した。


具体的には魔法兵団はリッチに3国連合軍の兵士はリビングアーマーにした。


中でも最高魔導師ネシマはエルダーリッチになり、デンガナ将軍はデュラハーン 、ゲンサイ将軍はエルダースペクターになっていた。


そんな中で正式に帝国と国交が樹立し、帝国から留学生を受け入れるとともに、対魔王軍の戦場に参戦する事となった。


参戦するのは、俺とミク&アヤ、キャル、ノノを中心とした気功士部隊100名。


俺が直接乗り込む為に帝国の使者と会わない様にしたからね。


目的は復讐なので、大将はキャルとにして、俺は一気功士として乗り込み復讐の機会を窺う計画だ。


そして密かにペロとユキ、魔神パズズのバズが付き添う。


エリとハルカも勿論同行するが、気功士で無い事から魔力を消す魔道具を装備し、黒いローブに身を包み気功士兵達に紛れる。


敵の貴族や冒険者に見つから無い様に、紛れて貰う事にした。


そして、チャンスを伺い、復讐するのだ。

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