第15話 魔弾を編み出した

ペロが住んでいる村。

名前はキャルータ。

ゴブリンの群れに滅ぼされた村。

猫の王国が救援せず見捨てられた村。

荒れ果てた村。

そこにペロは一人で住んでいた。


ペロから村が滅んだ話を聞いた後、俺も自分の今までの話をした。


転生の話もした。

初めは信じて貰えるか不安で躊躇ためらったが、気の力を説明するのに、転生者である事を話しないと説明出来なかったからだ。


ペロが話辛はなしづらい過去を話してくれたので、嘘はつきたく無かった。


ペロは『魔抜け』のことも転生者のことも受け入れてくれた。


俺の話が一段落するとペロが俺に聞いてきた。

「ショータはそれで、レベルを上げて強くなる為に迷宮を目指しているん

だにゃ。」


「そうだよ。俺は強くなるんだ。」


「猫の王国にも迷宮があるにゃ。」


「え!本当。」

「本当にゃ。行ってみるにゃ?」

「行ってみたいな。」

「行こうにゃ。」


俺達は猫の王国の迷宮に行く事にした。


その後、大猪エリュマントスの解体を終え、食事をした後、猫の王国の王都に行くため準備をする。


準備と言っても、元々全ての物はアイテムバッグに入っているので、後片付けをする程度だけどね。


アイテムバッグに調理道具や食器、大猪エリュマントスの肉の残り、牙や皮の素材、魔石を収納している時、違和感があった。


アイテムバッグに出し入れする際、収納している物の一覧が表示される。


 スライムの魔石:823

 スライムの魔石:147(使用済)

 ゴブリンの魔石:518


 ・・・・


使用済?

こんなに使用した覚えはないぞ。

何だろう?

魔道具に使った覚えもないし、俺持ってる魔道具で常に使ってるのは、鑑定のゴーグルと・・・。


アイテムバッグ!


アイテムバッグは常時使用しているだ。


多分アイテムバッグの収納に魔石の魔力を使うんだな。


雑貨屋にあった売り物の魔石を大量に持って来たので、不足は無いと思うが、魔石は定期的に補充した方がいいな。


使用済のスライムの魔石を出して見る。

捨てるのは勿体ないな。

パチンコ玉の大きさ。


これって!

指弾の弾にちょうど良いな。


親指と人差し指に気を込める。

大木を狙い使用済のスライムの魔石を指弾で飛ばす。


鈍い炸裂音と共に大木が倒れた。


「何があったにゃ!」

ペロが慌てて走って来た。


「ごめんごめん。何でも無い。問題もないよ。新しい弾で指弾の練習してただけだ。」


「驚かすにゃ。襲撃があったとおもったにゃ。」


これは良いな。

ドングリより断然攻撃力が高い。

音が気になるし威力もあるから素材を傷付ける可能性があるので、狩りには使えないが、いい武器が手に入った。


石の指で『魔弾』と呼ぼう。

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