転生したからせっかくなので日記を描きます

@fwatto

第1話

 ○月✕日

 唐突だがなにやら異世界転生というものを体験しまった。

 まことにワケワカメなことになっているが、自分の今の状況を書いておこう。


 ・気がつくと山みたいなとこにいた(高さは雲が下に見えるくらい高い)

 ・前世でいう記憶もいうものはすっぽりなくなっていること

 ・だが、一般常識やサブカルチャーといった知識は覚えている

 ・持ち物はなぜか日記とこのペンだけ(現在進行形でかいてるのがこの日記)

 ・俺は怪物になっていた\_(・ω・`)コレ重要!

 ・幸い、周囲に人の気配はない


 ざっと書きだすとこんなところだが、意味がわかんねー。

 でもなってしまったのも仕方ない。 とりあえず人間に擬態くらいはできるようになりたいなー。



 ○月□日

 自分に出来ることを探そうと思った。

 それで、わかったことだけどこの体はかなりハイスペックらしい。 ためしに近くの太い幹の木を殴ったら木の方が半ばからへし折れた。(゜ω゜;)。o○(やべ!?)

 それに走ったりしたら多分100mを1秒か少しで走りきったし、ジャンプしたら余裕で木以上の高さまで跳べた。 マジかよ・・・

 とりあえずできることを探すついでに殴り倒した角の生えたでかいイノシシみたいなのを晩飯にして木の枝をベットに寝るとしよう。

 追伸、火を出せないかとおもって念じてみたら余裕で出来ました。 どうやら発火能力もあるみたいです。 あと猪肉おいしい



 ○月△日

 なにやらでかい熊に襲いかかられた。

 何言っているかわからないが、どうやらこの間食ったイノシシみたいなのと友達らしいのかしらないがその敵討ちらしい。 ハハ、ウケル

 それで返り討ちにしてやろうと思ったけど、なかなかコイツが手強くて結構ヒヤヒヤがなんとか渾身のアッパーでKOしてやった。

 これだといつアイツに殺られるかわからないから強くなろう。

 今日は疲れたからこれくらいにしておく。



 ○月▽日

 ということで修行をやろう。 内容は前世で見たハゲ頭のヒーローが実践していたものをやろう。 といってもこの体じゃ意味無いから桁を1つか2つ増やしてやってみる。

 確か腕立て、腹筋、スクワットを100回ずつに10kmのランニングだっけ?

 ランニングは山の登り降りでいいか。

 早速始めた。


 ♪月♬日

 ちゅらい・・・ なにこのトレーニング辛いっす。

 人全く来ないし、来るとしてもあのクマくらいでまったくやる意味が見当たらん。

 ひょっとしたら無駄なことをしているのでは?と思ってしまう今日この頃


 □月Χ日

 今日くらい休んでいいかなー、と思いながらもとりあえず修行を続ける日々。

 はっきりいってめっちゃ退屈だ。 なんかこの前倒したクマが時々俺のやっているのを見てるけど特になにもしてこない。

 まぁ、ちょっかいをかけて来ないなら俺からもなにもしないや。

 それにしても退屈だ。 この修行以外にはこの山の探索や草笛とか木の枝を使った工作に、日記帳の落書きで時間を潰してるが、如何せん飽きてきたな。


 ◎月■日

 なんとか普通に修行をこなせるようになってきたけど、暇だ。

 ああ、それと見ていたクマも一緒に修行をするようになった。 何故だ?

 まぁ、組手みたいなことをしてるから自分がどれだけできるかいい具合に見れるから良しとしよう。


 ◇月◆日

 修行を始めて体感的に30年近く経った。 日記帳のページも結構埋まってるはずなのに厚さが全然変わらないのが凄いな。

 それと、ふと自分がどれだけ強くなったか気になったのでためしに近くの木を殴ってみた。

 すると、辺り一面が吹き飛んだうえに山の奥の方まで抉れてるのが見えてしまった。・・・・うっせやろ?


 追伸、なんかこう色んなものを引っ込むようなことをしたら人間になれた。


 □月◻️日

 金時(クマの名前)にも色々と工作とかを教えてみるとどんどん吸収していった。

 修行の合間合間に練習してた草笛も1人オーケストラみたいなことができるようになり、金時に教えた弦楽器で時々リサイタルみたいなことをしてみると、なんだか山に住んでる動物たちが集まってきて自然とテンションが上がって楽しかった。(その時色んな動物に名前をつけてあげた)


 ✕月✖日

 人間態でのスペックは怪物の姿よりだいぶ落ちるが、普通にアスリートなみに動けることが出来た。 どうやらあのハゲマント並に強くなったのは怪物態限定らしい。よかった

 それに、弱体化してるけど発火能力や部分的に怪物へと変化することもできるらしい。


 ●月〇日

 暇潰しにやっていた草笛はひとりオーケストラができるくらいまでうまくなったし、枝で椅子どころか豪邸も作れるようになった。 それに、落書きもほぼ実物そっくりまでかけるくらいになった。俺はどこに向かっているんだろう?

 それと、金時と組手をやって見たが引き分けが増えてきてそろそろ修行も頭打ちだろうか? というか名前をつけて以来みょーに強くなってる気がするが・・・・

 まぁ、こんな感じならきりもいいな。


 追伸、無機物限定だが、強くイメージしたら体積を無視して形を変化させることできることがわかった。


 ▲月△日

 そろそろ山を降りようかと思う。

 怪物だが、人間態になれるから傍から見れば一般人だ。 少々窮屈で息苦しい感じがするが、我慢すればいい。

 それと念のために近くの川で人間態の顔を確認してみたら、それなりに整っていた。

 まぁ、怪物だから整ってようが関係ないか。

 あと、山をおりたいことを金時に伝えたら山中の動物たちと一緒に送別会を開いてくれた。

 柄にもなくジーンときてしまい、目から汗が流れてしまった。

 それに俺の覚えてる限りのボードゲームを動物たちに道具と一緒にルールや遊び方を詳しく教えてあげた。 これで心残りはないはず


 〒月◆日

 いよいよ山をおりる。

 格好はこのウン十年で磨いた手先の器用さを利用して草や動物の毛皮で編んだ服と靴を使っている。

 さすがに怪物の姿で人様に出る訳にはいかないからな。


 それにしても外はどんな世界なのか楽しみだ。



 ─────────────────────────────


 ۞月∩日

 山をおりると、そこは広大な平原でのどかな風景が広がっていた。

 まぁ、そんなのはどうでもよかったから適当に風景を横に流しつつ歩いていると、なにやら大人の腰くらいの大きさのブッサイクな怪物に襲われてる行商人みたいな人達がいたから追い払って助けてあげた。

 それで助けてあげたら何言ってるかわからなかったけど、とりあえず感謝されるのはわかったし、ジェスチャーでどうにかして近くの町まで荷馬車に乗せてもらってくれることになった。


 追伸、いくつか話を聞いてるとなんとなくだが言っている言葉の意味が理解できるようになってきた。 どうやらこの体は知能もハイスペックらしい。 怪物様様だね


 〓月⊿日

 のんびりと揺られつつこの世界の人たちの言語が完全に理解出来たから色々と聞いてみた。

 ・俺の居た山は色んな魔獣とか幻獣がいると言われている魔境らしく名前は『千剣山』とかいうらしい

 ・昨日俺が倒したぶっさいくは『ゴブリン』という魔物らしい

 ・この世界には魔法が一般的らしい

 ・それと、先程のゴブリンの魔物や人に害をなす存在を倒したりする冒険者とか言うのがいるらしく子供たちは彼らに憧れて、将来なりたい職業1位だそうだ。


 Ӧ月∴日

 ゆっくりと荷馬車に揺られつつ、景色を日記帳に描きながら2日ほどかけて街にたどり着いた。

 大きな石造りの立派な外壁が見えて思わずため息をついてしまった。

 そのあと、行商人の人達から色々ともらったり少しだが金銭も貰えた。 お返しに俺が道中で作った家具とか、遊び道具とか色々とあげた。

 さて、衛兵みたいな人に観光とか適当な理由を言って街の中へ入れてもらったけどなにしよう。 まぁ、適当に観光でもしようかな。


 追伸、干し肉美味しい

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