帰郷

 来月9日の土曜日、東京へ里帰りすることにした。


 コロナ禍で外出の自粛が求められていたことや、お金がない、タイミングがわからないなどの理由で、ここ三年位、帰省はしていなかった。


 親もかなり歳を取ってきていることに加え、一番大きな理由となったのは、実家近くのスーパーマーケットが6月末で閉店し、買い物がかなり大変になってしまうだろうな、という心配だった。


「何とかなるわよ」


 なんて、母親は呑気なことを言っているが、私達が父の日に贈ったうなぎをどうやって暖めて食べるかでケンカしているような仲である。父も母も歳を取り、今までお互いに対して我慢してきたいろいろなことが、できなくなってきているような感じがしている。


 ちょっとこの辺りで様子を見て来なければいけないな、と思い、重い腰を上げた。


 今まで実家に行く際は、同級生と会うことはしていなかったのだが、今回は私一人だし、同級生達もこれまた歳を取ってきて、この辺りで顔を見せておかないと、次に会ったときに老け込んで驚かれるのも気まずいので、黒い髪の毛が何とか生えているうちに、同級生にも会っておこうと段取りをした。彼らもコロナ禍でなかなか集まることができず、つい先日久しぶりに集まったようだったので、このタイミングでいいだろうと思った。


 実家までの約400キロの往路を、今回は国道を使って行くことにした。行きは下で帰りは高速で帰って来ようと思っている。


 金曜日の夜に出発し、一晩走って土曜日の朝に到着し、仮眠をして親の買い物をして、余裕があったら食事をして、それから同級生と会って、日曜日にも親の用事を済ませて、日曜日の夕方に高速に乗り、夜に帰るという突貫スケジュールである。


 仕事で到着が指定されているとかではなく、荷物を積んでいるでもなく、完全なプライベートなので、何とでもなるだろう。眠くなり寝たって、誰にも咎められることはない。


 大ざっぱに計算して、何とか燃費良く走ることができれば、燃料代が1万円、高速代も休日割引で約1万円と、往復2万円の経費で任務遂行できる予定である。


 でも、東京に行けば電車やバスに乗らねばならないので、Suicaにチャージしたり、コンビニにも行くだろうから、電子マネーも用意しなければならない。飲み会だって、一人数千円かかってしまうだろう。こればかりは仕方がない。


 えきねっとなどの早割や、究極では青春18きっぷなどを使えば、もっと効率よく往復できるのだが、公共交通機関は大丈夫だとは思いつつ心の中ではコロナも心配だし、やっぱり親の所に行く時には車が必要なので、レンタカーなどを借りることなどを考えれば、自分の車で行った方が楽だなということになった。


 これからは、親の所に行く頻度が少し増えるかもしれない。何を使ってどうやって行くのがいいのか、まだまだ検討の余地はありそうなのだけれど、とりあえず今回は自家用車の下道作戦で行くことにしようと予定している。


 オイルもエレメントもブレーキオイルも換えたし、車検も終わったので、大丈夫だろう。


 気を付けて行ってきます。



 

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