エピローグ

 




「オリビアお待たせ〜。ごめんな、つい長湯になっちゃってさ」


 恋人たちと風呂から出ると、さっき背中を流しにきてくれたオリビアがリビングのソファーで座って待っていた。


「い、いえ……ま、待ってないです……」


「コウったらオリビアのお尻に興奮しちゃって凄かったんだから」


「あたしたち三人を並べてさ、激しかったぜまったく。最後は湯船でセンスイカンってのやってやったんだ」


「ですです! コウさん幸せそうな顔をしてたです! 」


「三人を……センスイカン……」


「ちょ、みんな! オリビアの前でなんてこと言うんだよ! オリビア、その……オリビアのお尻はまあそのアレしたけど、三人並べてってのは、背中を流してあげたことだから。センスイカンってのも湯船に潜って遊んでたことだから。アハ……アハハハ」


 俺はオリビアに決してエロいことをしていないと力説した。


「私のお尻を……」


 しまった! オリビアの尻スキーなのを肯定しちまった!


 俺はソファーに座りながら顔を真っ赤にして俯いているオリビアを見て、うっかり口を滑らせてオリ尻スキーなことを知られ動揺していた。


「うふふ、オリビアったら真っ赤になっちゃって可愛いわね」


「オリビアはエロい身体してんのにほんとウブだよなぁ」


「ですです。兎と同じですぅ」


「何言ってんだかドM兎が」


「ドMじゃないですぅ! 激しく愛されたいだけですぅ! リズさんなんてツンエロじゃないですか! えっちなくせに強がってて素直じゃないですぅ! 」


 あ〜あ、また始まったよリズとシーナの五十歩百歩の言い合い。


 しかしツンエロか。言い得て妙だな。リズは最初は別にしたくねえけどコウがしたいならいいぜとか言って素直じゃないんだけど、一回して火がつくと肉食になるからな。


「なっ!? なんだそのツンエロってのは! あたしはエロくねえし! 大人の女の魅力がにじみ出てるだけだし! 」


「この間三人でしてた時は最初はコウさんに攻められっぱなしでしたけど、途中から上に乗って腰……」


「こらシーナ。それくらいにしておきなさい。オリビアがいるのよ? 生々しすぎるわよ」


「ふえっ! はいですぅ」


「シーナ覚えとけよな。明後日のシーナの日に、あたしも鞭を持って参加してやるからな」


「ふええ!? リズさんのはただ痛いだけですから嫌ですぅ! 兎を叩いていいのはコウさんだけですぅ」


「む、鞭……叩くとか……アクツさんはそういうのが……わ、私も怖いけど……アクツさんが望むなら……」


「ちょっ! 待て! 誤解だオリビア! 違う! 叩いてはいるけどそういうんじゃない! し、シッペ……そうシッペのしあいみたいなもんだよ。じゃれあってるだけだから! 」


 俺はアブノーマル趣味だと誤解されないよう、オリビアに向かって必死に言い訳をした。


「はいはい。いいからもう座りましょう。シーナは見たいテレビがあるんでしょ? コウはオリビアの隣に座ってあげて」


「あ、ああ」


 俺はティナに促されてオリビアの隣に座った。するとオリビアが身を寄せてきて、それにドキッとしながらも浴衣の帯を緩め楽な姿勢をとった。


「でした! 歌番組が始まる時間ですぅ! テレビつけるですぅ」


「まったくシーナはガキのままだな。やれやれだぜ」


 リズはそう言ってオリビアとは反対側の俺の隣に座り、そっと尻尾を足に絡ませてきた。


 俺はそんなリズが可愛くてリズの手を握りながら、レミアが持ってきてくれたビールを飲み干した。


 あ〜うまい! それにしても二日間は忙しかったな……




 二日前、モンドレットとの戦争が終わり俺たちは桜島へと帰ってきた。


 桜島へと帰る際に高速飛空艇を先行させ、避難していた住民たちを迎えに行かせたんだけど、俺が桜島に到着した時には既に島中がお祭り騒ぎだったよ。


 俺が旗艦から降りた時なんて、精霊魔法やら魔銃による祝砲やらバンバン打ち上がって騒がしかったのなんのって。


 住人たちはまさか誰一人欠けることなく、武のモンドレット家を相手に圧勝するとは思ってなかったみたいでみんなが驚いてた。


 戦争に参加した者たちもそりゃあもう誇らしげな顔をしててさ、貴族に勝った! 奴隷だった俺たちが子爵家を滅ぼしてやったって叫んでたよ。


 俺もよく抑えて虐殺をしなかったなって、そうみんなを褒めてから祝勝会に突入したんだ。


 まあ規律違反者のことはわざわざ言わなかった。一晩中吊るされてみんなから石を投げられ血だらけになって、ポーションで回復されてまた血だらけになってたしな。これからさらにダンジョンで死ぬ寸前まで追い込むから、その日は艦内で寝かせてやったよ。ちなみに全て動画で記録してある。当然ダンジョン内での刑も撮るつもりだ。これは今後の兵士教育の教材として大いに役立つだろう。


 そして昼から始めた宴会は深夜まで続いて、俺はもう付き合ってらんないって酔い潰れたオリビアを背負って恋人たちと家に帰ったよ。おんぶっていいよな。合法的に尻を揉み放題だもんな。


 ん? 解毒ポーションを飲まさないのかって? めでたい日にそんな野暮なものは使わないよ。そんなの使ったら、セクハラするためにオリビアに飲ませまくった意味がないからな。


 ちなみにオリビアだけじゃなく、情報局の兵士たちも祝勝会に参加した。彼らはオリビアとともに鎧を着てダンジョン前で警備してくれてたんだ。島の皆も感謝してたよ。今回のことで島の住民に受け入れられたと思うんだよね。


 ああそうそう。沖田ほか内勤の元ニートたちも、装備をつけて階層転移室で住民たちを守ってくれてたらしい。その姿を見て秘書につけたエルミアの好感度が、かなりアップしたってティナか言ってた。良かったな沖田。エルフから見たらフツメンのお前でも、頑張れば幸せを掴めるかもしれないぞ。


 んで家に着いて客室にオリビアを寝かせて、俺は酔ったティナたちと朝方まで愛し合ってからみんなで眠りについた。


 次の日は飛空艇置き場に鹵獲した飛空戦艦などを出して、軍の皆で艦内の遺体と装備回収をした。遺体は俺が全て凍らせて旧式の高速飛空艇に乗せ、モンドレットの旧領地に送るように指示をした。


 回収した装備や金品はまとめて後日清算して配布することになるが、とりあえず遊ぶ金が欲しいだろうと思って参加者全員に前払いで金貨1枚を配布したよ。まあ帝国の物価なら100万円くらいの感覚だけど、日本で買い物するなら300万円以上の買い物ができる。


 当然島の防衛のために残った者たちにも渡したし、ヤンヘルたちにはかなり色を付けて渡した。嫌な仕事ばかりさせてるからな。


 金貨を受け取ったみんなは、こんなにすぐに貰えると思ってなかったらしく飛び跳ねて喜んでたっけ。そんでさっそく街に繰り出してたよ。


 全部で金貨3千枚ちょいを配布したわけだけど、フォースターの概算では、貴族の屋敷や兵士の所持品から回収した金品や美術品はこんなもんだろうということだった。


 男爵家の戦利品としては、飛空艦隊と装甲車に戦車やトラックに魔銃。それらの燃料の魔石に、帝国への上納用の魔石とウハウハだ。戦争って儲かるんだな。


 それからレオンたちを連れて軍規違反者たちをダンジョンの40階層で締め上げ、キッチリトラウマを植え付けてからもう二度とふざけたマネをするなよと言って解放した。


 手に入れた領地のことだけど、まだ対外的に告知はしていない。数日後に届く予定の、貴族院からの正式書類が来てから告知するつもりだ。


 一応内密にということで、九州の各県知事と世話になっているお隣さんの鹿児島市長と霧島市長には伝えてある。みんなとんでもなく驚いてたし、とんでもなく喜んでた。実は九州だけ景気良いからと、日本総督府に予算削られたり嫌がらせをされてたらしい。


 俺は今後の体制は後日連絡するので、準備だけお願いしますとだけ言っておいた。


 九州と離島は新たに総督府を設立して、そこに丸投げする予定だ。沖縄本島はフォースターにやる。その申請もオリビアにしてもらった。千葉県の半分の面積だけど、島ということもあり守りやすい立地だ。


 そしてなによりも初級だが蟲と植物系のダンジョンがある。ダンジョンが現れる前は観光収入に頼っていた地域だけど、島にダンジョンが現れたことにより今後はその素材で産業を興すことができる。正直蟲系ダンジョンは不人気だけど、新人教育用ダンジョンにすれば多くの資源を手に入れることができるだろう。俺は入らないけどな、虫は苦手だし。


 フォースターはまさか子爵領の半分もあり美しい海に囲まれた土地で、さらにダンジョン付きの領地をもらえるとは思ってなかったらしく目に涙を浮かべて俺に感謝してたよ。俺はフォースターでも泣くんだとか失礼なことを考えながら、神妙な顔をして領地を富ましてくれと言って肩を叩いた。


 まあそれだけダンジョン付き領地というのは、帝国人にとって特別なもんなんだろうな。それが欲しいから世界中で帝国の貴族たちが、管理地の統治と運営を頑張ってるんだしな。


 だけどそのうち割が合わないと思うさ。フォースターほど優秀な奴を俺が使い倒さないわけないし。


 フォースターには沖縄の旧米軍基地に、1500人ほどの一族縁者とともに支度金として白金貨20枚。帝国の価値で6億円、日本だと20億円くらい渡して先に行ってもらうことにした。魔導発電機も家電も世帯分渡してあるから、基地の居住区で自活できるだろう。もちろん沖縄県知事には話してある。帝国人が領主になるということで怖がっていたけど、ギルド警察を常に張り付かせると言って安心させた。


 もしもフォースターの一族が馬鹿をやれば、容赦なく処分するつもりだ。まあフォースターならその辺はわかってるはずだから、自分の寄親と同族の者を虐げることはないだろう。周辺の奄美大島に宮古島や、石垣島と西表島はこっちで管理するしな。


 離島をフォースターに渡さなかったのは監視の意味もあるけど、ホテルを買い取って男爵家のプライベートビーチを持つのが目的だ。夢のヌーディストビーチだよ夢の!


 まあそんな感じで昨日はフォースターたちを送り出し、荒川さんの家族と遊びに行かなかった元自衛隊員たちと食事をしてその日の夜はシーナと過ごした。ああ、荒川さんたちには、とりあえず北の旅館に住んでもらうことにしたよ。


 そして今日は朝に予定されていた緊急放送を恋人たちとリビングのテレビで見て、それからそれぞれの仕事に向かった。


 緊急放送は総督府を占拠したフォースターの配下の者が、日本領民に向けて先日の戦争の件を伝えるために全テレビ局に流させたものだ。


 彼らはこの三日間で総督府の政治家と、総督府に積極的に協力をしていた上級官僚全員を俺の名のもとに捕縛した。警察を使い領民にかくまえば同罪にすると告知し一人も逃さなかった。SNSなんかでは、これまで抑圧されてきた日本領民がこぞって逃亡した政治家探しをしていたよ。こういう時に急に強気になるとかさ、西街で便乗した獣人たちみたいで嫌な気分になったよ。


 放送では黒い詰襟の軍服を着た金髪イケメンが中央に立っていた。クラウスという名のフォースターの息子だ。彼はフォースターに似てるけど、フォースターよりは表情の柔らかい10代後半くらいの好青年という印象だった。


 オリビア曰くフォースターに似て頭脳明晰で、将来有望な男らしい。確かに総督府を占拠して政治家たちを捕縛する手際は良かった。俺は儲けたと思ったね。彼がいるならフォースターは領地に帰らなくても問題ないだろうしな。


 クラウスは若く見えるけど35歳らしく、画面上では配下の者たちを後方に置き堂々と演説をしていた。


 その内容は総督府の者と政権与党の者や官僚が、命惜しさにこれまで尽くしてきた日本救済軍の隊員とその家族をモンドレットに売り暗殺者に仕立て上げたこと。そして俺を暗殺しようとしたこと。


 それにより阿久津男爵家とモンドレット子爵家で先日戦争が勃発したこと。それに阿久津男爵家が勝利し、モンドレットの一族は女子供を除き皆殺しにされたこと。


 新たな管理者が到着するまで、阿久津男爵家が日本自治区を管理すること。その前に暗殺に間接的にでも加担した者を全員処刑すること。本来なら貴族への暗殺未遂は一族郎党処刑されるが、阿久津男爵の温情で遺族が残された財産を全て差し出せば当事者のみの処刑で済むこと。刑は朝霞の基地の地下で即実行されるなどだった。


 銃殺の光景は後日ネットで流すので、貴族へ反抗した者の末路をしっかりと見ておくようにと言って放送は終わった。


 まあそのあとはネットで日本人の阿久津男爵が日本の管理者に! 徴兵制がなくなるかも! とか盛り上がってたけど、誰が日本の管理者なんかになるかってな。


 そんなことしたら、同じ日本人だからって甘えてくるのがミエミエなんだよ。んで同じ日本人なのになぜ優遇しないとか言い出すに決まってる。俺たちが死にそうな時は知らんぷりしてたくせに、誰が助けるかってんだ。もっと追い込まないと日本人は駄目なんだ。甘えを無くさないと今後も役に立たない。


 そうは言っても九州の人たちは優遇するけどな。うちのギルド員たちを良くしてくれたし、俺も周辺の知事や市長には色々と世話になったからな。それでも徴兵制は撤廃はしない。別に魔石なんかいらないけど、もう弱いままじゃこの世界では生きていけないんだ。恨まれようと領民には強くなってもらわないと。


 クラウスたちには霞ヶ関に残ってもらい、九州を領土化した時のために日本自治区で色々とやってもらうつもりだ。これは次の管理者が到着するまでにやっておかないと色々揉めるからな。具体的には、貴族院から正式な書類が来たら国家公務員等の解雇をさせる。


 九州の警察や各局の役人はそのまま俺がいただく。もちろん強制だ。強引だけど、そうしないと一千万人以上いる九州の領地運営は俺には無理だ。今あるものをそのまま使う。原発もインフラも全てそのままな。あとは技術者のみ移民を許可していけばいい。


 俺の頭じゃこれくらいしか浮かばなかったんだから仕方ない。色々無理があるけど、給与を1.5倍にして景気を良くすればそのうち納得してくれると思う。



 そしてクラウスの放送を見終えた俺たちはそれぞれの仕事に向かった。俺は男爵家のお財布が寂しくなったのでダンジョンに行き、空の魔石に魔力を込めて錬金術を行った。そのあとはオリビアに帝国から買い入れる物資の相談をしたりした。


 んで夕方になりオリビアを連れそのまま家に帰り、夕食を一緒に食べながらみんなで今後の領地経営のことを話したりした。


 そしてそろそろ風呂に入ろうかということになり、ティナたちと4人で温泉に入ってたんだ。そしたらいつもどおりオリビアがバスタオル一枚巻いて背中を流してくれてさ、流し終わったあとに出て行くオリビアの大きなお尻と具がチラッと見えて、それにいつものように興奮してティナたちと頑張っちゃったよ。


 それで恋人たちの暴露話を経て今に至るというわけだ。


「旦那様どうぞ」


「ああ、ありがとうレミア」


 俺がこの二日間の出来事を思い出しつつビールを飲んでいると、レミアとニーナがつまみを持ってきてくれた。


 風呂上りのお酒やおつまみは、いつも男爵家のメイド長に指名した羊人族のレミアとシーナの妹のニーナが用意してくれるんだ。


 レミアはすごく穏やかで責任感が強くてさ、ニーナが奴隷の時に折檻されるのを庇ったりしてすごく優しい子なんだ。まだ19歳なのに包容力がすごくて、俺もたまに膝枕してもらって耳掃除してもらってる。Eカップのプニプニしたもち肌なのに、不思議とムラムラしないんだよね。癒し系ってこういう子のことを言うんだろうな。


 まあそんな子だからほかのメイドたちからも慕われててさ、文句なしにメイド長に指名したわけだ。本人は私なんてとか、ここにいさせてもらえてるだけで幸せですとか遠慮してたけどね。


「はい、お姉ちゃんの好きな人参スティックですよ」


「さすがお姉ちゃんの妹ですぅ。ありがとです。でももう遅いから寝るですぅ」


「そうだぜニーナはもう寝な。子供は早く寝ねえと成長が止まるぞ」


「むう……私はもう16歳になって成人しました。もう大人です。求められれば旦那様の……よ、夜のおつとめだって……その……できます」


「ブッ! え、ええ!? そ、そんなこと命令しないよ! そういうつもりで家に置いてるわけじゃないから! 」


 俺は真面目そうなニーナの口から飛び出したとんでも発言に、動揺してビールを少し吹き出してしまった。そしてニーナが何か誤解していると思い、そんなつもりはないことを説明した。


「……そうですか……で、でも覚悟はできてますので……お姉ちゃんみたいにその……しても……」


「イヤイヤイヤ、そういうのは愛がないとね? シーナのマネなんてしなくていいんだ。いや、しちゃダメだから。も、もうおつまみはいいから部屋に戻って、な? 遅くまでありがとうニーナ」


「愛なら……その……はい……失礼します旦那様」


 ニーナは何かを言い掛けたが、残念そうに一礼をしてリビングから出て行った。


 その姿をリズは大爆笑して見ていて、シーナはまだニーナには早いですぅとか恐ろしいことを言い、ティナは俺をしょうがない人というような目で見ていた。


 俺のせい? 俺のせいなの?


 くっ……やっぱりシーナとのプレイを覗き見させてたのはマズかったな。思春期だから声を掛けずらくて、そのままにしてたからなぁ。アレが普通だと思ったのかも。


「ふふふ、アクツさんはニーナちゃんにも慕われてますね。あ、ビールお注ぎします」


「ああ、ありがとう。いや、まあ可愛い妹みたいなもんかな。思春期だから色々難しいよね。アハハハ……それよりオリビアのそのネグリジェはティナたちとお揃いのやつ? 」


 俺はオリビアにビールを注いでもらいながら、オリビアが着ている赤いネグリジェのデザインがティナたちのと似ているので聞いてみた。


 ちなみにティナは薄い緑のネグリジェで、シーナは白でリズは黒だ。みんなお揃いのブランドの物なんだよね。


「は、はい……アクツさんが気に入ってると聞いて……その……あ、あまり見られると……」


「ふふっ、コウ? オリビアが真っ赤になってるわよ」


「おっと、悪い悪い。すごく似合ってるよ。いいよね、スケスケって」


 たまんねえな。この胸もとが大きく開いて下半身がスケスケの赤いネグリジェ。ついつい隣に座るオリビアの透けて見える赤いレースのショーツをガン見しちゃったよ。だってショーツまで透けてるだぜ? そこから赤い毛がちょろっと見えたりなんかしたら目が離せないのは仕方ないと思うんだ。


「あっははは! な? 似合うって言ったろ? あたしほどじゃないけど、オリビアもそこそこ色気があんだからよ。好きな男がいるなら悩殺しなきゃだぜ? 」


 黒のネグリジェを始めて着た時に、顔を真っ赤にしていたリズがオリビアに何かを言ってるな。


 しかし好きな男か……やっぱ俺のことだよな。いや、さすがにこうしょっちゅう泊まりにきてさ、これだけ色々と尽くされれば俺の勘違いじゃないのは確信してたよ。俺も真面目で素直なうえに美人のオリビアが好きだし。あとお尻も。


 喜んで受け入れたいけど、キッカケがなぁ。ティナたちの前でって訳にはいかないし、かといって常に三人のうち誰かは側にいるし。難しいところだ。


「リ、リズ! わ、私はそんな……その……」


「ですです! オリビアさんは奥手ですぅ。コウさんを好きなのはミエミエなのにハッキリしないですぅ」


「シ、シーナちゃんまで! コウさんの前でそんなこと! 」


「ふふふ、リズにシーナ。そういうことはコウとオリビアの問題だから口にしたらだめよ。それより今日は疲れちゃったわ。もう寝ましょ。オリビアは泊まっていくでしょ? 」


「え、ええ。今日もティナのところに泊まらせてもらうわ」


「ふふふ、なら部屋に行きましょ。コウ、今日は一人で寝てね。リズもシーナもいいわよね? 」


「んあ? ああ、そうだな。たまには一人で寝かせてやらないとな」


「ふえっ? あっ! はいです。今日はコウさんは一人寝ですぅ」


「え? そうなの? まあたまには……そうだね。おやすみ」


 俺は今日はティナとの学生服プレイをしようと思ってたのにと残念に思いながら、ティナだってそんな気じゃない時も当然あるだろうしなと思いリビングを出て行く恋人たちを見送った。まあついさっきお風呂でしたしね。


 それから最後まで残ってくれたレミアの片付けを手伝って、膝枕をしてもらい耳かきをお願いした。


 それがとても心地良くて、酒が入っていたこともあり俺は眠くなり部屋へと行ってベッドに入った。


 そして久しぶりにする一人寝は寂しいなぁと思ったら、誰かが部屋の前に立っている気配がした。

 その魔力反応からすぐにオリビアだとわかった俺は、何をしてるんだろうと布団の中からドアを見ていた。


 それから数分してドアがゆっくりと開き、ネグリジェ姿のオリビアが部屋へと入ってきた。


「ん? オリビア? どうかしたの? 」


 俺は身を起こし、俯いたままベッドの前まで歩いてきたオリビアにそう声を掛けた。


「…………その……今日は一緒に……」


「え? 」


「い、一緒に寝て……もいい……ですか? 」


「ああ……おいで」


 俺はその赤く長い髪と同じくらい真っ赤な顔をして、震えながら一緒に寝たいというオリビアに両手を広げながらそう応えた。


 オリビアは少しホッとした表情を見せたあと、ゆっくりとベッドに腰掛け俺へと抱きついてきた。


 ティナたちの了承済みってことなんだろうなぁ。


 俺はリビングでのやり取りを思い出し、恐らくティナたちが俺とオリビアの背中を押したんだろうなと考えていた。


 うーん。4人もいいのかなぁ。でも好きなんだよなぁ。


 初めて会ってから10ヶ月と少しか……最初はなんとも思ってなかった。コビールのとこの馬鹿女と同程度だと思ってた。いくら美人でも一皮向けばホラーだし。


 でもオリビアは変わった。あの時の傲慢な態度は見る影もなくなり、真面目に誠実に汗を流しながら島へと尽くしてくれた。それをまずティナが認め、俺とリズやシーナもオリビアの頑張りを認めた。


 なによりもオリビアは俺にとても従順で、俺の言うことならなんでも聞いてくれる。そして俺が喜ぶことを一生懸命しようとしてくれている。そんな女の子を好きにならないやついる? いや、いないだろ。


 俺は俺の胸に顔を埋めるオリビアがとても愛おしく感じ、彼女の綺麗な赤い髪を撫でていた。


「アクツさん……私は……あなたの優しいところが……好き……です」


「俺もオリビアが何事にも一生懸命やる姿が好きだよ」


「嬉しい……ご存知だと思いますが……私は……魔人……です……あなたの前では本当の姿は見せません……その時は自ら命を……断ちます……ですから……ですから私を……」


「魔人がなんだってんだ。俺は悪魔や魔王とか言われてるんだぜ? それにオリビアがどんな姿になったって気持ちは変わらないよ。好きになるってそういうもんだろ? 」


 俺は潤んだ瞳を向けて恐る恐る本来の姿を見せることはないと、そうなる前に命を断つと言うオリビアにだからどうしたと答えた。今ならオリビアがどんな姿でも受け入れられる。オリビアだから、オリビアなら。


「……あ……はい……ありがとうございます……ああ……好き……どうしようもないくらい……あなたが……」


「俺もだよ」


 俺の言葉が嬉しかったのか涙を流すオリビアの頬を撫で、そしてそのまま顔を近づけて唇を合わせた。


「あっ……んっ……」


「ごめん、抑えきれそうもない」


「はい……抱いてください……アクツさんのものにして……ください」


「大切にする……」


 俺はオリビアとのキスで湧き上がった情念を抑えられなくなり、彼女に覆いかぶさりキスをしながらネグリジェの中に手を入れ大きな乳房を揉みしだいた。


「あっ……んふっ……そ、そこは……んっ……」


 俺はゆっくりとネグリジェを脱がせ、そしてショーツの中に手を入れすでに湿っているオリビアの大事な部分を指でなぞっていった。


 そしてお互い産まれたままの姿になり、オリビアの脚を開かせそこに身体を入れていった。初めてで痛がるオリビアにヒールを掛け、俺たちは舌を絡ませながら愛し合った。


 オリビアの中に全てを出し切ったあとも、今まで我慢していた反動からか何度も何度も後ろからオリビアを求め、寝室には肉を打つ音とオリビアの嬌声が朝まで響き渡ったのだった。






 桜島に元ニートたちを集めて帝国本土から獣人やエルフたちを迎え入れ、ダークエルフが集団厨二病を患ったりモンドレットと戦ったりと色々大変な日々だった。


 けど最後に俺はオリビアという大切な宝物を手に入れることができた。


 俺はそれだけで全ての苦労が報われていくのを感じていた。


 頑張ってよかったな。


 やっぱオリビアの尻は最高だったよ。






※※※※※※※※※※



作者より


いつも応援していただきありがとうございます。


3章は少し時間を置き、4月13日(月)からスタートとなります。

それまでに主要登場人物紹介を投稿するかもしれません。たぶん。


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