アースティア大戦史・歴史紀行・第8回
アースティア暦1000年・ローラーナ帝国暦600年・西暦2030年・4月7日・ドラグナー皇国 新王都サリヴァン市では、ひと騒動が起きて居ました。
先の龍雲海沖海戦の敗戦の後に、不名誉なあだ名、ベンジョンの異名を持つローラーナ帝国海軍人であるベン・ジョンソンは、4隻の帆船型の戦列戦艦を率いて命からがら数日前に出港したドラグナー皇国の新王都サリヴァン市のサリヴァン港に戻って来る事が出来ました。
そのローラーナ帝国海軍・東洋方面艦隊所属・第120艦隊の無残な帰還を見ていたのは、ダバード・ロード王国の王立総合技術研究所の研究員にして稀代の魔導師でもあり、魔導関連技術の技師。
かなりの戦闘系統魔法の使い手でもあり、閃光魔法と雷撃魔法の使い手としても知られ、雷光のレナの通り名を持ったレナ・ミーサガ・リンバース。
ドラグナー皇国・第一皇女にして姫将軍。その地位を持つ異名としての通り名は、アイアン・ブラッド・プリンセス。
血染めの鋼鉄姫将軍と呼ばれて居るヴァロニカ・サークラ・レアモン。
後世の記録、本人達の回顧録と後年に竜史達と共に受けたテレビと雑誌インタビューではローラーナ帝国海軍・東洋方面艦隊所属・第120艦隊の無残な帰還を目撃して居たと、揃って証言して居る。
「あんな無残帝国艦隊は見た事が無かった。一体、何が起こって居るのかと、驚きを隠せずに居たよ。」とヴァロニカは、こう振り返って居る。
「そうだったわね。あの時は、何だか面白い事態に成りそうだと感じたわ。」
「そう言えば、あの時に何だか妹のリナの事を思い出したのよ。何処かで元気にして居たら良いなと思ったわ」とレナは、インタビュー内で、にこやかに答えて居た。
更に数日後、4月13日 帝国領 旧シャッポロ王国の王都 オタル市では、不名誉なあだ名、ベンジョン(便所)の異名を持つローラーナ帝国海軍人であるベン・ジョンソン。
彼は帝国東方軍総司令官である第五皇子ゾイザルの呼び出しを受けて、帝国東方制圧派遣軍の本拠であるオタル城へと召還させられて居ました。
帝国東方制圧派遣軍の本拠であるオタル城。其処には、この城の主にして帝国東方軍総司令官である第五皇子ゾイザル・セイダル・ローラーナ27歳が統治を任されて居ました。
第五皇子ゾイザルとは、周りの帝国で定番と言うべき悪い大人達を手本に育てられてきたと言われて居ます。
それ故に帝国は最強、帝国人は絶対であり、世界に覇を唱え、世の絶対の支配者であると教えられ、その事を彼は信じて疑わなかったそうです。
そんな彼でも愚者で操り人形に成る様なバカでは無かったと思われる供述書の記録がそれなりに在る様です。
16歳に成る頃には、政務や軍務を理解し始めており、17歳には当時シベリナ連合の一画であったドラグナー皇国(おうこく)を100万人以上の兵を送り込んで、たったの5ヶ月で首都まで迫り降伏させてしまうと言う才覚を世界中に見せ付けました。
多くの市民を奴隷にし、彼の国の特産動物で、貴重な戦力であったワイバーンを始めとする飛竜やドラゴンブリダー、聖龍と言う特殊なドラゴンと竜使いを戦力に組み込んだのです。
そして、ドラグナー皇国の王族や一部の貴族が保有する魔導空挺戦艦の命令指揮権をも手にしての破竹の勢いに乗って居た様です。
ですが、ゾイザルと言う人物は、好色で我が儘な性格を持って居ると評判の人物で、 コヨミ皇国・講和派一派の首魁である北条正成は、紅葉を人質の様な形で彼に嫁に出す事で、コヨミ皇国の身の安全保証を獲得将と目論む。
だが、これは明らかにコヨミ皇国・講和派一派の身の安全と権益特権地位の保証を守ろうとして居ると言えます。
紅葉本人でもなくとも嫌がる事は一目瞭然と言えるでしょう。
そのゾイザルは、ベンジョンを詰問し、日本国なる国を初めて知ったと言われて居ます。
彼は帝国がアースティア世界に葉をと成るのは、天が与えた偉業と言い切り、日本国に関する情報を集める様に通達。
第一次龍雲海沖海戦に敗北したベンジョンは、敵の情報を何も知らずに負けたのだから、致し方無しと言う理由から、御咎め無しとされました。
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