206話 空の勇者達よ、暗黒暗礁空域を駆けろっ!突撃せよっ!ザタン・アタック作戦っ!19

アースティア暦1000年・7月1日・午後12時15分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ西部地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河西部中央流域地方・オローシャ帝国・オローシャ帝国東方地域・ウルス山脈・南ウルス山脈・南パイプ・ライン大河流域・東ユールッハ街道沿い付近・ジャンブロー平野・ジャンブロー要塞基地及びローラーナ帝国・南東部ゾルモン地方との国境付近周辺地域・オローシャ帝国・ジャンブロー平野・ジャンブロー要塞基地から南に20キロ付近のゾルモン要塞軍団艦隊侵攻地域・オデュッサ軍団艦隊から後方へ12キロ付近のゾルモン要塞軍団艦隊の本隊・ローラーナ帝国・第四方面軍・東南方面制圧軍艦隊・ゾルモン要塞艦隊・オローシャ帝国侵攻作戦本隊艦隊・ゾルモン要塞艦隊旗艦・グレート・デルギン級空挺魔導戦艦グレート・ドッズール艦橋にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 ゾルモン要塞軍団艦隊の本隊を率いて前進をして居たゾルモン要塞軍団の司令官であるアーノルド・ドズール大将は、艦隊旗艦であるグレート・デルギン級空挺魔導戦艦グレート・ドッズールの艦橋で、前線艦隊から齎された有り得ない急報を聞いた事で、困惑と驚愕をしてしまう。


「何?!奇襲だと?」


「はっ、今や前線艦隊は、予想と予定を裏切られた形とでも言っても良いでしょう。突然の敵軍から奇襲を受けて、大混乱の只中と成っており、一番最初の奇襲攻撃は東の・・・・それも通過する事すら困難を極めるザタン暗黒暗礁空域を敵は踏破してやって来ましたっ!!」


「何と言う事だっ!!どんな方法でも困難と言わざるを得ないザタン暗黒暗礁空域を踏破しての奇襲攻撃だと?!」


「すると何かっ!!敵はっ!あの魔石の塊がプカプカ浮かび、その影響で一年を通して積乱雲と大雨と大風で、真っ暗な空域を悠々と突破して、このジャンブロー平野へと侵攻作戦を展開する我がゾルモン要塞軍団艦隊に、奇襲攻撃を仕掛けて来たと言うのかっ!?」


 ドズール大将は余りにも荒唐無稽であり、無謀過ぎる奇襲作戦をして来た敵に対して驚きつつも、その無謀ぶりに半ば呆れた表情が混ざって顔付きをして居た。


「はい。その数は一度に一千前後。数こそ大した事はありませんが・・・・・・・・・・・」


「大した事は無いだと?確かに奇襲攻撃部隊は、我らに比べたら数こそ大した事は無いのだろうが、その中身をよくよく精査と考察をすると、トンデモナイ事が分かってくるのだぞっ!!!」


「奴らはドラグリア白龍大帝国が誇る竜化変身した白龍騎士団と二ホン軍の鉄竜部隊の連合部隊、そして白龍騎士団に騎乗するアセリナの頭の可笑しな翼人どもが撃ち放ったエクスプロトンバスターで止め。」


「そんな出鱈目な連合混成部隊を含めた少数精鋭部隊をザタン暗黒暗礁空域からの奇襲攻撃を含めた多方面から仕掛ける奇襲攻撃。」


「それらの小規模連合混成部隊が、四方八方からの波状攻撃で、じわじわと大軍を狩りとって行く作戦と成って居る。か」


「むう・・・・・・・・」


 余りにも有り得ない奇策中の奇策を用いた作戦を実行した北国連合軍の攻勢に関して、流石のドズール大将も最後には押し黙ってしまう。


「バカなっ!!その様な無謀なやり方なんぞっ絶対に有り得ないっ!!」とフリーザー中将は狼狽してしまうが、現実に措ける事実は、彼とゾルモン要塞軍団に取って、とても残酷なものであった。



「高が一千程度の小勢や長距離攻撃をチマチマと撃ち掛けて来るだけで、大軍の進軍を阻もうとする等と、何と言う無謀で愚かな下策っ!!」



「ドズール大将閣下っ!!敵の下策に惑わされて成りませんぞっ!!これは敵の苦し紛れの策ですっ!!」


「そう長続きするもので無いと考えますっ!!」


「だと、考えたいがな。」


「だがなフリーザーよ、この俺が思うには、敵は恐らく最初からこれを狙って居たと思うのだがな。」


「ではドズール大将閣下が、敵軍全体の作戦を展開目的を考察した上でのお考えでは、オローシャ帝国軍の先鋒軍艦隊の指揮を執って居たフローレイティアの小娘は最初から囮で、この奇襲攻撃を仕掛ける為に、我が軍団の足止めだけが狙いだったと言われるのですかっ!!」


「であろうな。我々からすれば僅かな時間に過ぎない悪足搔きだった。」


「その時間稼ぎこそが奴らの作戦目的であり、奴ら狙って張って居た、我らへとの罠であったのだっ!」


「そうでなければ、今の状況の説明とこれまでの経緯から察すると、全ての事柄の合点と敵が今まで取って来た行動の辻褄が合うのだ。」


「それにオローシャ帝国は、我がゾルモン要塞軍団に全力で、自国が攻め入られば、己が祖国の滅亡は必須で、正に亡国の危機だ。」


「その様な事に成ると分かって居れば、オローシャ帝国とて国を守る為ならば、形振りなんぞ構っては居れまい。」


「ででででっ!ではっ!!」


「ああ、敵はオローシャ帝国吞みに有らず、敵方には援軍が駆け付けて来易い近隣地域のシベリナ連合の数カ国程度の軍勢が参戦して居ると言いたいが、今の多方面からの状況報告を聞く限り・・・・・・・・」


 この時点でのドズール大将は、配下や味方の友軍などから、幾つもの前線からの報告を聞く限り、奇妙奇天烈な攻撃を仕掛けて来る兵器が、多数見受けられたと報告を受けていた。


 それらの情報を鑑みて、彼はこの敵の作戦の裏には、日本の陰が見て取れたと感じ出して居たのであった。


「この大戦に・・・・・新たな異界転移国家である二ホンが参戦したのだと、ドズール閣下は仰せられたいのか・・・・・・・・・・」


「だが、この状況から見るに、参戦して来て居るのは、二ホン一カ国だけとは言い難い。」


「噂に聞く二ホン軍の総戦力は、少数精鋭と聞く。」


「そんな軍が二ホン国の在る地域から、遥か西の果てである。このジャンブロー平野へと援軍として、大軍を派遣すると考え難い。」


「恐らく二ホン国は、何らかの理由でダバード・ロード王国へと派遣した艦隊をオローシャ帝国へと攻め掛かる。」


「我らゾルモン要塞軍団対策の援兵として派遣したか、又はオローシャ帝国やシベリナ連合の西側諸国に泣き付かれて援軍を派遣して来たと言う所だろう。」



「その二ホン派遣艦隊は、我らかすれば大した事の無い数だ。」


「・・・・・と成ると、この大攻勢を仕掛けて来て居る。大本の正体とは何か?」


「それは二ホン国とは、元々の同盟国である異界国家の国々すらも参戦して居ると見るべきだ。」


「では・・・・・・・」


「フフッ、くっくっくっ・・・ガハハハッ!!ガハハハハハハッ!!勝てると踏んで、その為にこれまで散々、様々な策や裏工作を行い。」


「絶対に負ける事の無い大軍を揃えて、味方への根回しをも打って来た事で、成就する政策をして居た積りであったが、いざ本番と言うこの戦での勝利目前と言う所で有った言うのに、寸での差で敵に戦盤の盤上をひっくり返されしまいおったわ。ガハハハハハハッ!!!!」


「しかし、閣下。となると、これは非常に不味いですぞっ!!」


「ああ、分かっておる。このままでは中軍から先鋒軍は殆んどが壊滅してしまうだろう。」


「既にリンゼン・バン・アドリュウス第二外征艦隊は半壊し、撤退を始めた。」


「こやつ等と西左翼の奴らはまだ良い。敵の攻撃を晒されながらも、何とかすれば運よく逃げ延びる可能性が有るからな。」


「だが中軍と先鋒軍は、どう足掻いても如何にもならない。」


「両翼の味方が完全に撤退をするまでは、奴らの逃げ場が無いからな。」


「フリーザー、本隊と後続艦隊は進軍を停止し、一時後退して、戦線の立て直しを図るぞっ!!」


「ははっ!!」


「ふっ、奴らの目論見が分かれば、此方のものよ。全力で攻め入る我らをジャンブロー平野で包囲殲滅するのが、本命の狙いであった様だが、最後の最後で詰めが甘いものよ。」


「この俺に奇策を看破されたのは残念だったな。ガハハハハハハハハハハハッ!!!!」



 ドズール大将は、この戦いでの北国連合軍の真の狙いであるゾルモン要塞軍団を奇襲攻撃を用いた包囲殲滅を看破してやったと声を大きくして高笑いをしながら、ゾルモン要塞軍団艦隊の本隊と後続艦隊の前進を停止し、一旦退くを事を決めた命令を発して行く。



 そして、現状の戦いを仕切り直しをして、北国連合軍の反撃に対して、肩透かしを食らわそうと企む。



 だが、そんな考えは甘いと言う事を直ぐに彼らは思い知らされる事に成る。



 戦とは実戦の作戦前に勝ちを既に決して居る事が、勝率の半分以上が締められて居ると、昔から言われる程に、作戦計画とは、それ程までに大事なプロセスなのである。





 アースティア暦1000年・7月1日・午後12時15分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ西部地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河西部中央流域地方・オローシャ帝国・オローシャ帝国東方地域・ウルス山脈・南ウルス山脈・南パイプ・ライン大河流域・東ユールッハ街道沿い付近・ジャンブロー平野・ジャンブロー要塞基地及びローラーナ帝国・南東部ゾルモン地方との国境付近周辺地域・ローラーナ帝国・第四方面軍・東南方面制圧軍艦隊・ゾルモン要塞艦隊と北部大陸間海洋国際平和維持連合軍・北部大陸間海洋国際平和維持連合艦隊・ジャンブロー平野全域・両勢力の陸上軍団両軍激突地点にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 空自を始めとする地球系転移諸国群から成る各国の偵察機は、戦場と成って居るジャンブロー平野一帯を監視をし続け、全軍の目と成って働いて居た。


 そんな偵察飛行隊の一つたる空自のガイダル派遣航空隊・E-2C早期警戒機ホークアイ部隊で編成された第三偵察航空隊は、新たな動きを見せたゾルモン要塞軍団艦隊の本隊と後続艦隊の動きの変化を見逃さなかった。



「ふっ、ようやく慌て始めたか。」


「・・・ですね。大軍相手に非常に有効な一計で、彼の三国志時代の魏国の名軍師である程昱が用いた十面埋伏の計は、効果覿面の恐ろしい効果が出て居ますね。」


「全くだ。だが、ゾルモン要塞軍団の司令官であるドズール大将は、彼の曹操に対して大軍で攻め立てた袁紹とは違って、愚か者では無かったらしい。」


「ですが、如何なる名将、傑物、名君で有っても、仕掛け罠のど真ん中に嵌まって居ては、其処から抜け出すのも容易では無い筈です。」


「それでも油断は禁物と言いたいが、俺達が此処から総司令部に一報を入れるだけで、あの司令官は如何出るかな?」


「何だか可哀想ですね。」


「まっ、悲しいけど、これって戦争なのよねって奴さ・・・・・・・」


 宇宙世紀世界の戦闘機パイロット風な皮肉めいたジョークを言いつつ第三偵察航空隊の隊員らは、ザタン・アタック作戦総司令本部へと敵の動きと攻め時を報せた。


「こちらガイダル派遣航空隊・第三偵察航空隊よりザタン・アタック作戦総司令本部へ、ゾルモン要塞軍団艦隊の本隊及び後続艦隊に新たな動きあり、恐らくは艦隊の前進を止めて、戦力の立て直しを図ると見られる。」


「こちらザタン・アタック作戦総司令本部。状況は了解した。引き続き監視任務を頼む。」


「了解っ!!」


「さぁて、敵さんは、俺たちのこの一手に対して、どう出るかな。」


 ガイダル派遣航空隊・第三偵察航空隊は、次の交代時間が来るまでの間。


引き続きゾルモン要塞軍団艦隊の監視任務を続行して行ったのであった。




 アースティア暦1000年・7月1日・午後12時15分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ西部地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河西部中央流域地方・オローシャ帝国・オローシャ帝国東方地域・ウルス山脈・南ウルス山脈・南パイプ・ライン大河流域・東ユールッハ街道沿い付近・ジャンブロー平野・ジャンブロー要塞基地とその基地周辺に展開する北部大陸間海洋国際平和維持連合軍・北部大陸間海洋国際平和維持連合艦隊・オローシャ帝国・ジャンブロー平野・ジャンブロー要塞基地周辺・北国連合軍・長距離誘導弾大隊・日米合同陣地にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 北国連合軍の陣地の中に、長距離誘導弾大隊と称して連合部隊を編成した対艦誘導弾発射車両部隊が在った。


 日米露台の4か国から成り立っているこの部隊は、陸上部隊の長距離誘導発射車両部隊が中心と成って戦地であるジャンブロー平野付近約100キロ四方を射程圏に抑えて居た。


 編成部隊は日米と露台部隊に別れて、左右に展開して居た。


火砲部隊も似た様な編成で、この編成は前世界から続いて居るお国柄的な配慮もされて居る編成でもあった。



 陸自ダバ派遣隊の第四・第五特科中隊の多連装ロケットシステム自走発射機M270(MLRS)20両と88式地対艦誘導弾20両。


 それと米軍の高機動ロケット砲システム HIMARS・20両と多連装ロケットシステム自走発射機M270・20両の部隊は、ジャンブロー要塞基地周辺の西側の森の中で陣地を構築し、ザタン・アタック作戦総司令本部からの命令を待って居た。



「ザタン・アタック作戦総司令本部より長距離誘導弾大隊・日米合同部隊へっ!!」


「目標っ!!ゾルモン要塞軍団艦隊の本隊及び後続艦隊への直接攻撃を命令する。」


「了解っ!!」



「各車発射スタンバイっ!!」


「「「「「各車発射スタンバイっ!!」」」」」



「「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」」



「ファイヤッ!!」


「「「「「ファイヤッ!!」」」」」



ズガガガガガガッ!!ゴオオオオオォォォォォーーーーーッ!!!


ズガガガガガガッ!!ゴオオオオオォォォォォーーーーーッ!!!


ズガガガガガガッ!!ゴオオオオオォォォォォーーーーーッ!!!


ズガガガガガガッ!!ゴオオオオオォォォォォーーーーーッ!!!


ズガガガガガガッ!!ゴオオオオオォォォォォーーーーーッ!!!


ズガガガガガガッ!!ゴオオオオオォォォォォーーーーーッ!!!


ズガガガガガガッ!!ゴオオオオオォォォォォーーーーーッ!!!



 各車両から長距離誘導弾がゾルモン要塞軍団艦隊の本隊及び後続艦隊への直接攻撃の為に、80発もの第一波の対艦ミサイルを撃ち放った。





 アースティア暦1000年・7月1日・午後12時32分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ西部地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河西部中央流域地方・オローシャ帝国・オローシャ帝国東方地域・ウルス山脈・南ウルス山脈・南パイプ・ライン大河流域・東ユールッハ街道沿い付近・ジャンブロー平野・ジャンブロー要塞基地及びローラーナ帝国・南東部ゾルモン地方との国境付近周辺地域・オローシャ帝国・ジャンブロー平野・ジャンブロー要塞基地から南に20キロ付近のゾルモン要塞軍団艦隊侵攻地域・オデュッサ軍団艦隊から後方へ12キロ付近のゾルモン要塞軍団艦隊の本隊・ローラーナ帝国・第四方面軍・東南方面制圧軍艦隊・ゾルモン要塞艦隊・オローシャ帝国侵攻作戦本隊艦隊・ゾルモン要塞艦隊旗艦・グレート・デルギン級空挺魔導戦艦グレート・ドッズール艦橋にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 ゾルモン要塞軍団艦隊の本隊艦隊と、その旗艦であるグレート・デルギン級空挺魔導戦艦グレート・ドッズールに死神が近づいて来て居た・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 キイイイイイイィィィィーーーーーーン・・・・ゴオオオオオォォォォォーーーーッ!!!


 キイイイイイイィィィィーーーーーーン・・・・ゴオオオオオォォォォォーーーーッ!!!


 キイイイイイイィィィィーーーーーーン・・・・ゴオオオオオォォォォォーーーーッ!!!


 キイイイイイイィィィィーーーーーーン・・・・ゴオオオオオォォォォォーーーーッ!!!


 キイイイイイイィィィィーーーーーーン・・・・ゴオオオオオォォォォォーーーーッ!!!


 キイイイイイイィィィィーーーーーーン・・・・ゴオオオオオォォォォォーーーーッ!!!


 キイイイイイイィィィィーーーーーーン・・・・ゴオオオオオォォォォォーーーーッ!!!


 キイイイイイイィィィィーーーーーーン・・・・ゴオオオオオォォォォォーーーーッ!!!


 奇妙な金属音と共に見慣れぬ物体の群れが、北の彼方から現れて来た。


 ゾルモン要塞軍団艦隊の本隊艦隊に所属する各艦の監視要員たちは、三方から迫って来た物体に気が付き始め、あちらこちらで声を上げ始めて行く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「んん?!」


「おおっ、おいっ!!アレっ!!」


「何だ?アレは・・・・・・・・・・・・」


「そっそっそっ、空飛ぶ鉄の槍だと?!」


「敵襲うううううぅぅぅぅぅぅーーーーーーーーっ!!」


「北西方向から空飛ぶ鉄の槍の集団が襲来っ!!」


「その数は多数っ!!」


「物凄い勢いで我がゾルモン要塞軍団本隊艦隊へと接近中っ!!」


 監視任務を請け負って下級仕官達は、ミサイルの襲撃に大きな声を上げて警報を鳴らすが、時すでに遅かった。


 その数秒遅れで、各艦の警報半鐘が叩かれ艦隊周囲に鳴り響く。


 カンカンカンカンっ!!カンカンカンカンっ!!カンカンカンカンっ!!カンカンカンカンっ!!


 カンカンカンカンっ!!カンカンカンカンっ!!カンカンカンカンっ!!カンカンカンカンっ!!


 カンカンカンカンっ!!カンカンカンカンっ!!カンカンカンカンっ!!カンカンカンカンっ!!


 カンカンカンカンっ!!カンカンカンカンっ!!カンカンカンカンっ!!カンカンカンカンっ!!


 カンカンカンカンっ!!カンカンカンカンっ!!カンカンカンカンっ!!カンカンカンカンっ!!


「対空戦闘よーいっ!!!」


「各副砲っ!!魔導機関砲っ!!撃ち方っよーいッ!!」



 ガラガラガラガラ・・・・ガタガタガタガタ・・・・・ガチャンッ!!



 ガラガラガラガラ・・・・ガタガタガタガタ・・・・・ガチャンッ!!



 ガラガラガラガラ・・・・ガタガタガタガタ・・・・・ガチャンッ!!




 ガラガラガラガラ・・・・ガタガタガタガタ・・・・・ガチャンッ!!



 対空戦闘の為に、ゾルモン要塞軍団本隊艦隊と、その周辺に展開して居る陸空の魔導艦船は、各副砲と魔導機関砲をミサイルが迫って来て居る北西方向へと向けられた。


 各砲台は手動式である為に、現代文明を知る者達からすれば、実に心許ない装備だった。




「「「「「撃てえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」




 ズダダダダダダダダダタダダッ!!ズダダダダダダダダダタダダッ!!ズダダダダダダダダダタダダッ!!ズダダダダダダダダダタダダッ!!



 ズダダダダダダダダダタダダッ!!ズダダダダダダダダダタダダッ!!ズダダダダダダダダダタダダッ!!ズダダダダダダダダダタダダッ!!


 ダンダンダンダンッ!!ダンダンダンダンッ!!ダンダンダンダンッ!!ダンダンダンダンッ!!


 ダンダンダンダンッ!!ダンダンダンダンッ!!ダンダンダンダンッ!!ダンダンダンダンッ!!



 ズダダダダダダダダダタダダッ!!ズダダダダダダダダダタダダッ!!ズダダダダダダダダダタダダッ!!ズダダダダダダダダダタダダッ!!



 ズダダダダダダダダダタダダッ!!ズダダダダダダダダダタダダッ!!ズダダダダダダダダダタダダッ!!ズダダダダダダダダダタダダッ!!


 ダンダンダンダンッ!!ダンダンダンダンッ!!ダンダンダンダンッ!!ダンダンダンダンッ!!


 ダンダンダンダンッ!!ダンダンダンダンッ!!ダンダンダンダンッ!!ダンダンダンダンッ!!



 ズダダダダダダダダダタダダッ!!ズダダダダダダダダダタダダッ!!ズダダダダダダダダダタダダッ!!ズダダダダダダダダダタダダッ!!



 ズダダダダダダダダダタダダッ!!ズダダダダダダダダダタダダッ!!ズダダダダダダダダダタダダッ!!ズダダダダダダダダダタダダッ!!


 ダンダンダンダンッ!!ダンダンダンダンッ!!ダンダンダンダンッ!!ダンダンダンダンッ!!


 ダンダンダンダンッ!!ダンダンダンダンッ!!ダンダンダンダンッ!!ダンダンダンダンッ!!





 ゾルモン要塞軍団本隊艦隊から撃ち放たれた各副砲と魔導機関砲台は、一斉にミサイル80発を迎え撃ったが、音速で飛び回る兵器に手動目視式の兵器は、全く通用する筈も無く・・・・・・・・・・・



 キイイイイイイィィィィーーーーーーン・・・・ゴオオオオオォォォォォーーーーッ!!!


 キイイイイイイィィィィーーーーーーン・・・・ゴオオオオオォォォォォーーーーッ!!!


 キイイイイイイィィィィーーーーーーン・・・・ゴオオオオオォォォォォーーーーッ!!!


 キイイイイイイィィィィーーーーーーン・・・・ゴオオオオオォォォォォーーーーッ!!!


 キイイイイイイィィィィーーーーーーン・・・・ゴオオオオオォォォォォーーーーッ!!!


 キイイイイイイィィィィーーーーーーン・・・・ゴオオオオオォォォォォーーーーッ!!!


 キイイイイイイィィィィーーーーーーン・・・・ゴオオオオオォォォォォーーーーッ!!!


 キイイイイイイィィィィーーーーーーン・・・・ゴオオオオオォォォォォーーーーッ!!!



「ああっ!!」


ドカドカドカドカドカドカドカドカドッカアアアアアァァァァァーーーーーーーンッ!!


ドカドカドカドカドカドカドカドカドッカアアアアアァァァァァーーーーーーーンッ!!


ドカドカドカドカドカドカドカドカドッカアアアアアァァァァァーーーーーーーンッ!!


ドカドカドカドカドカドカドカドカドッカアアアアアァァァァァーーーーーーーンッ!!


ドカドカドカドカドカドカドカドカドッカアアアアアァァァァァーーーーーーーンッ!!


ドカドカドカドカドカドカドカドカドッカアアアアアァァァァァーーーーーーーンッ!!


ドカドカドカドカドカドカドカドカドッカアアアアアァァァァァーーーーーーーンッ!!


ドカドカドカドカドカドカドカドカドッカアアアアアァァァァァーーーーーーーンッ!!



「ぐううっ!!」

 

 ドズール大将もグレート・デルギン級空挺魔導戦艦グレート・ドッズールの艦橋で、ミサイルの襲撃を受けていた。


「被害報告っ!!」


「目視確認で確認できた80発の鉄槍は、当艦を含めて艦艇のダメージ状況は、当たり所が良くて中破以上のダメージを受けたと報告。」


「駆逐艦・巡洋艦クラスは確実に大破撃沈して居るとの事であります。」



「くそっ!!それでは本隊艦隊は確実に半分は潰される様な物ではないかっ!!」



 被害報告を受けたドズール大将は、悲痛な声を叫んで居た。



 その後もゾルモン要塞軍団本隊艦隊は、北国連合軍・長距離誘導弾大隊・日米合同部隊による直接攻撃を受けて、200隻は居た陸空魔導艦船は、その半数以上を討ち取られた。



 ゾルモン要塞軍団の総司令官であるドズール大将は、味方が大混乱の中で、彼は更に本隊艦隊を後退させたが、焼け石に水な状況で在る事には変わりが無かった。


 ゾルモン要塞軍団は、その後も北国連合軍から更に追い打ちを掛けられる事に成る。


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