128話 激闘!セイジョン・ローグリア攻城戦 5

アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月17日・午前8時40分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・レジェンダリア諸島・レジェンダリア諸島西部・セイジョン・ローグリア島・セイジョン・ローグリア城・セイジョン・ローグリア城東門郊外・グリクス地方軍団東部中央方面隊・グリクス地方軍団・グリクス地方艦隊・総旗艦ドッコス・ギアレス級空挺戦艦オクト・ガレオン艦橋にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





 グリクス地方軍団・レジェンダリア諸島遠征軍の本隊にして、セイジョン・ローグリア城東門を守る日シベ合同作戦軍の東門守備隊と対峙して居るグリクス地方軍団東部中央方面隊。


 その部隊は、ガミトフ中将総司令官の指揮の下で、如何にして東門へと攻め入るかを真っ赤に塗装されて居るガミトフ・バイマン中将の専用旗艦で、グリクス地方軍団・グリクス地方艦隊の総旗艦でもあるドッコス・ギアレス級空挺戦艦オクト・ガレオンの艦橋司令官席にて考えを巡らせて居た。


 前線指揮を任されている副司令官であるオバム大佐は、旗艦である緑色に塗装されているドッコス・ギアレス級空挺戦艦オクト・パレスと空挺戦艦2隻、空挺巡洋艦4隻、空挺駆逐艦4隻を東門から約300メートル離れた地点まで船を接近させつつ、地上から120メートル付近で静止させ、敵と対峙する。


 更には地上軍の守りとして、陸上魔導戦艦7隻を配備させて居た。


 オバム大佐は火力と歩兵に加え、魔導機兵を組み合わせた帝国でも典型的な機甲兵器主体の攻城戦を決行し、日シベ合同軍が立て篭もるセイジョン・ローグリア城を討ち倒そうと試み様として居たのである。


「オバムよ、これでは我が軍の自慢でもある重機動師団と主力たる貴公の艦隊が、ニホン軍やシベリナ連合に所属して居る特殊能力使い。」


「そして、貴様らも警戒して居るリナとか言う女魔導師共に、狙い撃ちにされてしまうのではないか?」


「はっ!ガミトフ閣下が、その事に付いて、ご懸念をされい居るのは、ごもっとっもであります。」


「ですが、其処こそが、ニホン軍やシベリナ連合らに由る逆の見方にを狙った、作戦としての狙い目で有ると言えるのです。」


「ほう、逆の狙い目とな・・・・」


「未だに援軍たるニホン陸軍の主力本隊の兵器群の姿が見られませぬ。」


「同じく、ニホン海軍艦隊の目立った動きも有りません。」


「恐らくニホン海軍艦隊は、その全ての船が水上艦で有るが故に、陸地へ内部への進攻が、我らとは違い。その地形運用から見て、不可能であります。」


「奴らは西側を中心に停泊して陣取り、後方支援に徹すると思われます。」


「詰まり、貴公は敢えて自ら囮と成り、ニホン陸軍の主力たる重機動部隊を引き吊り出すと言うのだな?」


「そして、その主力を素早く叩いて、シベリナの主力たるアルガス騎士団を殲滅する。」


 鋭い観察力と戦略眼を併せ持って居るガミトフは、オバム大佐の戦略的意図を言い当てる。


 オバム大佐は、更に作戦の意図に付いての説明を続ける。


「はい。その通りです。」


「あれ程、我が軍の追撃の猛攻に対して、暴れ回っていたニホン陸軍の姿が、本戦であるこの戦に姿を見せる気配すら有りません。」


「奇襲、又は何所から現れ、背後や何れかの方面に突如として現れると読んで居るのだな?」


「流石は閣下でありますな。ご説明する前に、私の言いたい事を言い当てられるとは・・・・・・」


「世辞は良い。どの様な手段であっても、この戦で貴官が結果を出せば、何でも良い。」


 更にガミトフは、オバム大佐の戦略的意図を次々と言い当て、彼を感銘させてしまう。



「この緒戦で、神出鬼没のニホン陸軍の主力の配備や砲兵部隊の位置が、ハッキリとするでしょうな。」


「其処で一番に防備の脆い所を破ると言う事か?」


「成るほど、その策を早速、実行に移せっ!」


「ははっ!!必ずやこの作戦を成功させて、ご覧に入れます。」



 ガミトフは、オバム大佐の打ち立てた作戦を実行する様に命じ、日シベ合同作戦軍が築き上げた、サナダ丸と名付けられている城郭門への攻撃命令を発し、兵を進めた。



アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月17日・午前8時45分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・レジェンダリア諸島・レジェンダリア諸島西部・セイジョン・ローグリア島・セイジョン・ローグリア城・セイジョン・ローグリア城東門・セイジョン・ローグリア島・セイジョン・ローグリア城東門城郭側・通称・サナダ丸にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




 セイジョン・ローグリア城東門城郭・通称・サナダ丸と名付けられている城郭門を守備して居るのは、剛腕のダンブルドと謳われし人物。


 アルガス騎士団・第三騎士団・アルガス戦士兵団の団長ダンブルド・アーシダであった。


 豪快な性格と強持ての顔つきと筋肉ムキムキなマッチョな体付きを持つ巨漢であるアーシダ第三騎士団長は、ハルバートを振り回すと手が付けられないとローラーナ帝国側も恐れている猛将てあった。


 それを支援するは、陸自普通科中隊が300人であった。


 ダバ派遣隊の後続艦隊が、やって来たお陰で、多少は人員の増強と再編制が行われたが、元々陸自隊員の派遣人数が少ないの事には変わらない。


 その代わりに携帯火器がや狙撃銃を集められて居た。


 それと対戦車ライフルなんて代物を米軍が余って居た物を持ち込んで居る。


 現代戦に措いて、今では滅多に使わない代物だ。


 遠征行く先で、もしかしたらロボットモドキと戦うかもと話したら、米軍がくれると言ってくれて、その代わりに敵に対して使えるのかどうか試してくれと試射代行まで言われてしまう。


 まぁ、それがタダで物を譲ってくれた本音だろうけど・・・・・この世に無償の善意と物をタダでくれるより高い物は無いのである。



 サナダ丸にアルガス戦士兵団の5千人と自衛官300人、更に切り札的な控え部隊として、アセリナ聖天使騎士団千人が待機して居た。


 それでも不味いと思われる事態になれば、特科大隊と戦車隊をはじめとする陸自部隊による砲撃が味方を援護する事で、敵正面攻撃を防ごうと言う物であった。


「アーシダ第三騎士団長の敵に動きが見られます。」


「遂に動いたか?」


「流石に空挺と陸上戦艦が、目の前に陣取られた時は肝を冷やした。」


「ええ、直ぐにでも一斉に戦艦と共に攻め掛かって来ると思いきや、今の位置で停止。」


「我が方の動きを伺いながら、攻め手を如何するかの算段をして居たのでしょうか?」


「恐らくは、そうだろうな。」


「何せ、自衛隊の使用するトンデモ兵器の射程が異常に長い。」



「それらを一体、如何するのかを相当に悩んだ筈だ。」



「それでも攻めようと試みるのだから、敵将のオバム大佐の思い切りが良さが出て居るな。」


 アーシダ第三騎士団長は、オバム大佐の大将旗を見て言う。


「では?」


「陸自部隊は、各中隊長の命令での発砲を許可する。」


「事態が急変し、不味いと見たら後方の井上殿らの支持を仰いでも構わん。」


「何としてでも、このサナダ丸を敵からの侵攻を防ぎ、死守せよ。」



「はっ!」



「「「各隊っ構えええええぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!」」」


 陸自部隊は、中隊長の指示の元で、その全員が射撃体勢に入る。


「我が軍団も砲撃と弓兵っ構えええええぇぇぇぇぇーーーーーーっ!!!」


「「「「「おおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」」」」」


 アルガス戦士兵団の5千人もの歩兵・弓兵・砲兵が城門櫓に城壁や攻城塔で射撃体勢や防備体勢へと入る。


 その後方では陸自のトラックが矢や銃弾に砲弾、手榴弾などの武器が運び込まれる。


 各隊の体勢が整えられ、アルガス戦士団の団員が補給部隊に所属する隊員らと共に補給物資を常時運び込む体勢を取って居る。


 サナダ丸の全守備隊は、是により、前だけ見て居れば良いと言う絶好の環境が整われ、士気を高く保って居たのである。



アースティア暦 1000年・西暦2030年・6月17日・午前8時55分頃・アースティア世界・ユーラシナ大陸・ユーラシナ大陸中央地域・シベリナ中央地方・パイプ・ライン大河・パイプ・ライン大河中央流域地方・ブラキュリオス湖・アルガス公国・レジェンダリア州・レジェンダリア諸島・レジェンダリア諸島西部・セイジョン・ローグリア島・セイジョン・ローグリア城・セイジョン・ローグリア城東門・セイジョン・ローグリア城東門城郭側・通称・サナダ丸にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 サナダ丸に迫るグリクス地方軍団本隊にして、セイジョン・ローグリア城東門と対峙しているグリクス地方軍団東部中央方面隊は、オバム大佐が打ち立てた大胆な囮作戦を展開し、作戦が決行され様としていた。


 先ずは、グリクス地方軍団東部中央方面の先鋒隊1万が、城門や城壁全体へと迫る。


 そして、魔導機兵隊のイースト・エンペラル隊100機が突き進んで行く。


 先の戦いで失った分やの補充や、各部位の修理などをして入れ替えを行った為に、多少は機体数を維持して居るので、非常に厄介な兵器部隊であった。


 其処へセイジョン・ローグリア城東門の城門が開かれる。



 手勢は300人だろうか?


 戦士の重騎士甲冑姿が250人と50名緑の斑模様の兵士が後に続いて居た。



 そして、城門前に築かれて居る良く分からない土を盛り上げ、堀を巡らした小さな半円形状の防塁の前へと出た。



 それは日本では、戦国時代の城郭に良く見られた仕掛けである丸馬出しと呼ばれる代物だった。


「我が名はアルガス騎士団・第三騎士団・アルガス戦士兵団の団長ダンブルド・アーシダだっ!!」


「この俺が守るこのサナダ丸を易々と落とせると思うなよっ!!」


「この城郭は20万の大軍にも耐えられる設計に成って居るっ!!」


「死にたくなければ、とっと尻尾を巻いて帰えれっ!!」


 アーシダ第三騎士団長は、聞きかじった程度の真田信繁(幸村)の如く、グリクス地方軍団の将兵らを挑発して見せた。


「何にいいっ!!サナダ丸だとおおおぉぉぉーーーっ!?」



「あの様な小さき砦モドキなど恐れるに足らずっ!!!それえええぇぇぇぇーーーーっ!!!一気に攻め掛かれえええええぇぇぇぇぇーーーーーーーーーっ!!」


「「「「「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」」」」」


「「「「「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」」」」」


「「「「「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」」」」」



「「「「「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」」」」」



「「「「「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」」」」」


 

 グリクス地方軍団東部中央方面の先鋒隊1万人の主力たる鉄の盾を持った歩兵隊が、サナダ丸へと殺到する。


「アーシダ第三騎士団長殿。」


「了解した。陸自隊は射撃よーいっ!」


「我が直営のアルガス戦士兵団は、左右に分かれて展開っ!」


「盾で両翼の通路から向って来る敵兵を防げっ!」


「丸馬出しの内側に敵兵を決して、中に入れて成らんっ!!」


「味方の支援射撃は万全だっ!決して、敵を恐れるなっ!」


「各々の守りの担当部署の職務を忠実にこなせっ!」


「城内の者は、向って来た敵軍を徹底的に近付けさせるなっ!!」


 アーシダ第三騎士団長は、威勢の良い檄を飛ばし、味方の士気を鼓舞する指示を出していた。



 其処へ後方から無線連絡が入る。



「アーシダ第三騎士団長殿、井上一佐からです。」


「特科の援護は要るかと。」


「それは有りがたい。では2分間ほど支援砲撃を撃って貰いたいと。」


 井上一佐は、激戦が予想される敵の真正面軍に対して、気を回してくれた様で、特科による援護砲撃を行うかをアーシダ第三騎士団長を聞いたのであった。



「了解です。」


「此方はサナダ丸です。2分間の支援砲撃を願います。」


「こちら特科指揮所、了解。」


 

 特科は支援要請を聞き、直ちに砲撃体勢に入った。



 特科大隊は、城から3キロ離れた付近に配置されて居る。


「目標っ!敵主力部隊っ!距離8千っ!」


「てえええええぇぇぇぇぇーーーーーっ!!!」


 99式自走155ミリ榴弾砲20両と155ミリ砲FH70・30門が、一斉に2分間の援護砲撃を行う。


 ドドンッ!!特科陣地の砲台全ての砲門が、敵前線へと撃ち放たれた。


「弾着10秒前、9、8、7、6、5、4、3、2、1だんちゃーく。今っ!!」



 着弾と共に爆発のによる赤い炎と炸裂音が木霊した。


「前線より連絡っ!」


「初弾全弾、弾着命中。弾着修正東へプラス4。」


「各砲撃陣地っ!!効力射撃始めっ!!」


ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!


ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!


ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!



ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!


ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!


ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!



ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!


ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!


ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!ドドンッ!!



直ぐ様、砲身方向の微調整を済ませると、更なる砲撃を追加させて行く。

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