騙詩てごめん

全ては秋のせいにして

こんな事は、ダメだって分かってる。

分かってるけど、止められない。

この衝動は、どこから来るのか。

この手でそっと、開けてみたい。

開けてはいけない、その扉。

もう、二度としないと誓ったあの日。

あれから、まだそんなにも経っていない。

もう、止めよう。

もう、止めよう。

その先が、どうなってしまうか知ってるはず。

取り返しがつかなくなるから、今のうちに、

今、この瞬間に、思いを断ち切るしかないの。

分かってるでしょう？経験上。

人は、過ちを繰り返す生き物だなんて、

そんな言い訳、良い訳ないのに。

もう秋だから、なんて、何の関係もない事でしょう？

いいえ、きっと関係はある。

秋の夜は、長いの。長すぎる。

この衝動は、秋のせい。

全てを秋のせいにして、扉を開けよう。

その扉の奥にあるの。

スウィートポテト。

21時以降は、冷蔵庫を開けないと、

誓ったのは、ほんの3日前。

食欲の、秋のせい。

秋の夜長のせい。

全てを秋のせいにして、食べると決めた。23時。