『マークⅣメイル・フェメイル』〜進化する菱形戦車〜

『マークⅠ』からマークⅡ、マークⅢを得て現れた本格的な戦車が『マークⅣメイル・フェメイル』だ。


 見た目は後部の補助輪が外された以外に大きな変化は見られないが、マークⅠの実戦投入で判明した問題点や弱点を改善し、一段と能力が向上している。


 まず防御面では、マークⅠの装甲では鋼芯鉄甲弾(K弾)さえ使えば7.92mm小銃でも貫通できることがドイツ軍との戦闘で分かったため、防弾鋼板を搭載してこれに対処した。

 次に攻撃面では、雄型メイル搭載の47口径の57mm砲は車体が溝に落ちた時にダメージを受けるため、威力は十分とされ23口径の物に変えている。


 しかしマークシリーズに共通する『鈍重』『人員過多』の弱点は最後まで変わらなかった。

 というのも、当時は現在のような変速装置がなく、操縦は三人がかりで、ブレーキは二人がかりでと、満足に動くだけでも大量の人間が必要だったのである。こうなると車体は自然と大きく重くなり、鈍重になってしまうのだ。

 マークⅣ後期型では105HPから125HPへとエンジン出力が増大しているものの、速度に変化は無かった。


 本戦車はカンプレーの戦いの大勝利に大きく貢献している。

 

 

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