第96話




洋服を買いに行くことは

たぶん昔から好きだった


新しい服を纏うと

自分がアップデートされた気分になって


中身は変わっていないのに

素敵な人になったかのようで


いつもならば

今頃新しい春物を着て

四月の緊張する時期を

乗り越えるはずだった


いつかこの状況から抜け出たら

たくさん服を買ってしまいそう





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る