第69話




翌朝のお味噌汁のだしを

前日の晩から用意して

身体に染み渡るそれが

より一層冬を感じさせる


その人を見ていると

実に丁寧な暮らしをしていた


手間を惜しまず

自分で出来ることは自分でするという


その人からは

透き通るような詩が生まれる


私よりも何倍も生きているのに

生まれたばかりのような感性で

飾らずに素直に心に届く詩たち


私は雑に生きている

そう思った寝正月が過ぎていく





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