表現のヒ・キ・ダ・シ!


ヤ「えー、初めましてヤマです。って文頭に短縮形書いてあるのか、じゃあ説明する意味ないか・・・・・・ところでファンタジーさん、ホントにやるんですかこれ? 創作論なんてボク初めてですよ・・・・・・」


フ「モチのロンさ。というわけで今回のタイトルは、表現の引き出しだ。ボーイ、地の文とセリフとはどっちが詰まる?」


ヤ「そりゃもちろん地の文ですよ。なにより状況描写がきついですね・・・・・・あ、一応補足しておきますけど、『地の文』とはセリフ以外の文です」


フ「そりゃ当然さ、誰もが上手い言い回しや説明に頭を捻るし、頭のイメージを文章に出来ない、ぴったりな言葉が出てこないと悩む! んじゃあどうすればいいかというと、方法は色々ある。パクって言い換え、キーワード並び替え、立場に立って想像、そして検索&分割、連想言い換えとかな」


ヤ「検索&分割なら僕でも説明できますね。下のURLを使えば単語の検索、言い換えはぐっと楽になりますし、 佐々木圭一氏の『伝え方が9割』は一読必須、てにをは連想辞典もあるに越してことはないですね。あと分割は・・・まあこんなのテクニックの内にも入りませんが、要は熟語をバラすんです。口頭よりも例の方が早いですね」


無料・web閲覧可能

https://hyogen.info/scate/773969「日本語表現インフォ・楽しい」

https://collocation.hyogen.info/word/「日本語コロケーション辞典」

https://renso-ruigo.com/「連想類語辞典」


有料・本

佐々木圭一著 「伝え方が9割」☆超重要。読者が思わず手に取ってしまう強烈なキャッチコピーが作れます。

小内 一 編 「てにをは連想表現辞典」


例: 切断→切り断つ、断ち切る 日食→日を食う 補強→ 強く補う・・・etc


ヤ「もちろんバラすと言葉として成立しないこともあるし、強引過ぎるのもいけないですね。ケースバイケースで使うといいです」

フ「それで『パクって言い換え』は・・・・・・えー、たとえば禁書目録であった背筋が凍えるの表現、確か『首から脊髄目掛けて、キンキンに冷えた金属棒を撃ち込まれたような』だっけ。あれを言い換えるとこんなかんじになる」


首から脊髄目掛けて、「キンキンに冷えた金属棒」を「撃ち込まれたような」


↓ 物質を変えて、補足を入れて差し替え~


首「に開けられた穴」から脊髄目掛けて、「液体窒素」「でも」「流し込まれたような」


ヤ「キーワード並び替え、も同じようなものなものですね。あ、下に例があります」


例:「後頭部目掛け迫るトランクケースを」「難なく避けると」、「その反動で起き上がった勇氏は座り」、「フルスイングしてきたヴァネッサに問う」。「当然ヴァネッサは激怒していた」。


↓ 接続語、名詞加えてゴチャゴチャ混ぜる。


「当然ヴァネッサは激怒し、」勇氏の「後頭部目掛けてトランクケースを」「フルスイング」。しかし勇氏はそれを「難なく避けると」、「その反動で起き上がって座り」、「ヴァネッサに問う」。


フ「あとは『立場に立って想像』だな。基本的に屋外なら天気屋内なら間取り、物の配置、体勢、物ち物、考えていること、5感の6つを考えるとうまくいく。まあ、その精度は『ファンタジー』に依存するが」


例:草原に寝転んでいた主人公が目覚め、起き上がるシーン →主な外的要素は?→ 風・草、土のにおい・首筋、耳周りや手のワシャワシャした草の感触・太陽 →どのような状態? またどのように感じる?→ 風が強いなら肌に打ち付けるように。雨上がりだったら土はべたつき匂う。季節が春なら草は柔らかく、夏ならゴワゴワしている。ゆっくり目を開けたなら太陽はぼやけるし、いきなり誰かに起こされたならまぶしさに目が眩む →感じた主人公の感想も交えて書く・・・・・・


ヤ「ああ『ファンタジー』についてはまた後ほど。それでは連想言い換えの話もしておきましょうか」


フ「説明するのも面倒だ、詳しくは下の例を見てくれたまえ!」


例:絶望する →意義分割→ 「望み」が「絶たれ」る →+か-かでいえば?→ 「望み」は+、「絶たれ」は- →類語・似たイメージ探し→ 「願い・想い・温かい・やわらかい」「沈む・落ちる・削れる・消える」 →連想→ 「願い」といえば心、「温かい」といえば寒い、「沈む」といえば底・闇 →さらに連想→ 闇といえば黒・ドロドロ・取り込む・呑まれる、「寒い」といえば冷たい・固くなる →ごちゃごちゃ補足、組み立てて完成→ 温かな想いは冷めて固くなり、心の底のどろりと淀んだ黒に混ざりゆく。


ヤ「なんだかこうして書くと恥ずかしいですね。あくまでこれ即興の例ですからね? 最初は手間取るかもしれませんが、慣れたらすぐ出来ます。・・・・・・本日はここまでです。ご静聴頂きありがとうございました」


フ「はっはっは、励みたまえ!」






 

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