139.アキラ、海上射撃。

 小さな小島が見えてきだした頃、船内は殺気だった空気が張り詰めていた。なぜ、こんなに船員が重苦しい雰囲気になったのか私にはわからない。




頻繁に、周辺を見渡す船員。逐一その情報をやり取りしていた。遠くの方の船がこちらに向かって急速旋回してくる、奴らは突然にやってきた。




猛スピードでこちらの船に近づいてくる船に船員が気付く。ハンターセンス君もそれに気付き、危険を知らせる。




咄嗟に船を見る。異様な雰囲気を醸し出している船だ。船員は、乗客に船内に避難するよう促す。僕らふたりも船内に移動するよう促される。




「アキラ様、これは一体何なんでしょう。」




アルテシアが不安そうに聞いてくる。ここは危険と判断して、アルテシアを船内に移動するように言う。




自分は、弓を片手に甲板に出る。船員は全員武器を持っていた。どうやら、今から来る奴らは海賊の類の奴ららしい。




 弓兵がやることはひとつ、先手必勝。弓を構えて狙えそうな敵を次々に射る。




海賊もまさかこの距離から矢が飛んでくるとは思っていなかったらしく、


一時混乱し、海賊船の速度が落ちる。しかし、船長らしき人物が




「盾を構えろ!!」




という合図に一斉に盾を構える。矢は盾に突き刺さる。これでは、狙えない。段々と距離を詰めてくる。このままでは、追いつかれる、その前にもう一撃加えれたらと思う。




辺りを見渡す。マストが目につく。その考えに精霊さんが、




「いい案です。」




お褒めの言葉をくれる。そうと決まれば、即実行。マストによじ登っていく。船員は海賊に気を取られて誰も気付かない。




大いに揺れる。だが、そんなことも言ってはいられない。てっぺんに登った頃には、だいぶ海賊船は近づいていた。




ここならばと思い、バランスを取りながら、弓矢を構えて撃つ。海賊船の船長らしき者の首を射ることに成功する。それから、同じように何人かを射る。




海賊船は盾に隠れていたのに、矢が飛んできたことにより大混乱に陥る。そして、その混乱を抑える役目の船長は死んだため、統制が取れなくなる。




近づきすぎていたために弓の有効射程範囲内に入っていた、船員がこれに乗じ下で矢を撃つ。そして、自分は海賊船に飛び移り、マストを伝い敵の後方から矢を撃つ。




海賊船は大混乱に陥る。船内を逃げ惑う海賊たちに容赦なく矢の攻撃が浴びせられる。海賊船の人数が減ってきたところで、帆に電流で火をつけて、乗っていた船に戻る。




なんとか、船は海賊の上船を阻止したのであった。

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