97.アキラ、血をとられる。

 目が覚める。




今日は隣には、アルテシアとイリスが寝ていた。




やはり、倫理上問題が起きる前に早くシャエルターに避難するべきだと、この時考えるざる負えなかった。




こんな美少女に囲まれてよく手が出ないなと自分を褒めつつ、顔を洗いストレッチをするため外に出る。




雄大な自然の中での運動は気持ちのいいものだと感じながら、深呼吸をする。




ふいに、故郷の現世のことを思い出す。父や母は元気だろうか、今も自分のことを探しているのだろうか。せめて、元気なことを報告できればと思いながら、景色を見ていると、




 後ろから気配がする。ハンターセンス君もそれに反応するが、不意を突かれた状況で対応できなかった。




「動かないでください。」




と聞いたことのない少女の声がする。




少しこういうことには慣れていない印象を抱く。




「あなたが、噂の異邦人ですね。」




向こうはどうやら僕を知っているようであった。




「何がお望みで?」




そう僕は質問すると、少女は、




「あなたの血が目的でしょうか。少し血をもらっていきます。」




そう言って、僕の手を後ろに組ませ指先にナイフらしきものを刺す。




「いたっ。」




少し痛むがすぐに痛みは引いていく。血が垂れるのを感じながら、質問をしていく。




「ほかに、仲間はいるの?」




彼女は無言のまま、何も答えない。これは図星だなと思い、ハンターセンス君を頼り辺りの気配を探り、気配は後ろのこの子だけだと判断する。




「いたぁ!!」




と大声を出してみる。すると、予想外に




「ああ、ごめんなさい、痛みましたか?」




少女は心配して取り乱す。抵抗したら案外、逃げれるんじゃないかと考えるが、相手の素性がわからない以上下手に動けないと判断する。




「よし、血は確保しました。また、必要になれば来ます。」




そう淡々と話す少女に、これ以上してこないことを感じる。




「今度は、面と向かってとってほしいな。」




冗談交じりに話すと、少女は




「考えておきます。」




そう言いながら、僕の顔に目隠し、手を縛ってどこかに行ってしまうのであった。




あれこのまま、放置?と思いながら、他の4人が起きるのを辛抱強く待つのであった。




 しばらくの後、まゆきが外に出てきて、縛られている僕を見つけて救助してくれる。




「アキラさん、何があったんですか!?」




そう言いながら、取り乱している様子なので、手を握りキスをする。すると、顔を色を赤くしながら




「な、なにしてるんですか・・・。」




そう呟いて、落ち着きを戻す。




それから、今起きたことを話していくと、まゆきは思い当たるような節があったようで、




「もしかすると、先ほどの女の子のようなの子は、以前に私の村に踏み込んできた者達かもしれません。」




そう告げるのであった。

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