93.アキラ、子守唄を聞く。

 テラと手を繋ぎながら、家に帰っているとその姿をまゆきに見られてしまう。彼女はその様子を羨ましそうに見つめ、空いている腕に手を絡ましてくる。




そして、豊かな胸が当たる。とても気持ちよいでございます。顔がゆるんでしまう。その顔をテラが見て、対抗意識を持ったのか。テラもまゆきと同じように手を絡ましてくる。




おお、これはこれで良きかなとさらに顔がゆるんでしまい、なんとも情けない顔になってしまう。そのまま、ふたりを連れて家に帰る。




 家に着くとアルテシアは本を読んでおり、イリスは魔術の練習をしていた。イリスが僕が美少女サンドされている状況を見て、無言でこちらに近づいてい来る。




まゆきとテラは少し離れて、取ってきた木の実を持って家の台所へ行く。え、イリスさん怖い怖いと思いながら、見ていると、側面に回り込み抱きついてくる。少しやわらかな感触が肌に伝わる。




「アキラの照れている顔、可愛いですわね。」




そう小悪魔は呟き、離れていくのであった。




もうこの子たち心臓に悪すぎるよと思いながら、イスに座る。アルテシアは、それに気付きニッコリと笑みをこちらに向ける。




不意の可愛さに心が動揺するのであった。いろいろな少女たちのアプローチに少々困惑する、今の僕ってけっこう幸せだなと感じながら夕食を待つのであった。




 夕食も食べ終わり、就寝の時間となり、灯りを消す。今日も今日とて眠れないのかと思いながら、今日も美女たちのボディータッチを待つがなかなか来ない。




いや、別に期待していたわけでもないが、少々淋しくもなる。そんな、僕を見かねたのか精霊さんが、超絶うま歌を歌ってくれる。




「眠れない~夜には~~独り~枕ぬらす~・・」




まるで、僕の心境を表したかのような歌であった。それを子守唄のように聞きながら、僕は夢の中に足を踏み入れていくのであった。夢の中でも精霊さんは歌っていた。




 夜も明け、爽やかな朝日が僕を包み込む。




「う~~ん、良く寝た。」




ボキボキと身体を解しながら、起きる。今日はよく眠れたのか誰よりも早く起きていた。




4人はまだ深い眠りについているようで、起こしてはならないと外に出て、散歩をする。




風が草木を流れていき、小鳥が軽やかなさえずりを奏でる。僕はそんな小鳥たちに狙いを定め、矢を放つ。




しかし、的が小さいため、うまく当たらなかった。精霊さんが起きる。




「宿主、朝からワイルドですね。」




開口一番からお褒めに預かる。今日はいいことがありそうだ。




そんな風に、周りの景色を見ながら狙えそうな小鳥が居れば矢を放っていった。しかし、まったく収穫なく家に帰るのであった。

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