虹の夕暮れのはなしがしたい
私はずっと虹の夕暮れのはなしをしたかったんだ。
毎日、毎日、日は暮れていくわけですけれども、
空の下のほうだけが燃え盛って、上のほうはクリアに透き通るかのように水色、そしてやがては藍色にその場を明け渡していくとかいう、……ハッ、となるような瞬間がありますでしょう。
そういうときには自転車を停めて見入るしかなかった、……ランドセル。
あのね、
そういうはなしじゃない。そういうはなしじゃ、ないんだよ。
私がずっとしたかったはなしは、なにひとつ、教室には存在しなかったんだよ。
虹の夕暮れのはなしがしたい。
暮れなずむ風景そのものに対してあんまりにも思い詰めると、はなしたい。
ああそんなもんだよね、で無関心の鈍さで終わらせられるのではなく、
虹の夕暮れのはなしをしたい。
虹の夕暮れのはなしをしたい。
そこには王国だって広がってるはずだよ、って――天国のはなしまで、してやりたいんだ、よ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます